このようなSMS・メールが届いて、フィッシング詐欺ではないかと不安になった人が多いようです。カード会社を装ったSMSは実際に多く、この警戒は正しい反応です。
結論から書きます。この文面とURLは、オリコ(オリエントコーポレーション)の本物のお知らせです。CardLensが自分で確認した根拠を先に示します。
本物だと確認した根拠(2026-08-12時点)
不安の中心は「orico.jp という見慣れないドメイン」でしょう。オリコの公式サイトは www.orico.co.jp なので、.co.jp ではなく .jp のドメインが出てくると偽装を疑うのは自然です。実際に2点を確認しました。
| 確認したこと | 結果 |
|---|---|
| ドメイン orico.jp の登録者 | 登録者名 Orient Corporation(オリエントコーポレーション)。ドメイン登録は1986年8月5日と古く、ネームサーバーもAkamai(大企業が使うCDN)。急ごしらえの偽ドメインではありません |
| orico.jp/mj2 の転送先 | HTTPステータス 301(恒久的な転送)で https://www.orico.co.jp/information/important/20260717_1.html へ転送。転送先はオリコ公式サイトの「クレジットカード等ご利用代金明細書に関する重要なお知らせ」というページで、実在します |
つまりorico.jp はオリコ自身が保有している短縮URL用のドメインで、orico.jp/mj2 を開くと公式サイトの該当ページに飛ぶ、という構造です。文面の内容(2026年10月以降・385円・Web明細登録で無料)も、公式のお知らせと一致しています。
それでも、リンクは踏まないほうがいい
ここは大事なところなので、はっきり書きます。今回の文面が本物だったからといって、SMSのリンクを踏む習慣をつけるべきではありません。
- 本物のお知らせとほぼ同じ文面で、URLだけ差し替えた偽SMSを作るのは簡単です。
orico.jpに似せたorico-jp.comoricojp.netのようなドメインは、いくらでも用意できます - スマホではURLの全体が表示されないことが多く、見た目で判断しづらい
安全な手順はこれです。
- SMSのリンクは開かない
- ブラウザやアプリのブックマークから、自分で www.orico.co.jp や eオリコアプリを開く
- 公式サイトの「お知らせ」に同じ内容があるかを確認する
同じ内容が公式サイトにあれば本物、なければ偽物です。この手順なら、文面がどれだけ巧妙でも判断を間違えません。オリコ自身も公式サイトに「不審なメールの見分け方」「SMS/+メッセージ」の案内を用意しています。
なお、手数料の改定を口実に「口座情報を再登録してください」「カード情報を入力してください」と入力を求めるものは、本物のお知らせにはありません。今回のお知らせは案内だけで、利用者に情報入力を求める性質のものではないからです。入力を求められたら、その時点で偽物と判断して差し支えありません。
何が変わるか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発行手数料 | 1通220円(税込)→385円(税込) |
| 対象 | 個人会員のクレジットカードのご利用代金明細書(郵送) |
| 適用時期 | 2026年10月以降に発行される明細書から |
※正確な対象・条件は必ずオリコ公式のお知らせでご確認ください(確認日2026-08-12)。
手数料がかからないケース
オリコは無料になる条件もあわせて案内しています。主なものは次のとおりです。
- eオリコサービスのWeb明細に登録している(1回払い以外の利用がある月など、条件あり)
- 1945年10月31日以前に生まれた人
- もともと明細書発行手数料が無料のカードを利用している
- キャッシング残高が記載される月、入会後3か月間 など
どうすればいいか
紙の明細を惰性で受け取っている場合は、eオリコサービスのWeb明細に切り替えるのが素直な回避策です。明細はアプリ・Webで確認でき、手数料はかかりません。家計簿アプリと連携している人も、Web明細のほうが取り込みが楽なことが多いです。
切り替えは、SMSのリンクからではなくアプリまたは公式サイトから行ってください。やることは同じでも、経路を自分で選ぶだけでフィッシングのリスクはほぼ消えます。
明細書の発行手数料は「毎月じわじわ効く固定費」です。385円×12か月なら年4,620円。使い方を変えずに削れるコストなので、この機会に受け取り方法を見直しておくのがおすすめです。
自分で確かめる手順を知っておくと、次から迷いません
今回は本物でしたが、同じ文面でURLだけ差し替えた偽SMSは簡単に作れます。ドメインの登録者やTLS証明書の組織名から自分で判定する手順と、CardLensが実際に証明書を取得して確認した主要カード会社・銀行34サイトの一覧をカード会社からのSMS、本物か偽物かにまとめました。
同じ確認方法で、JCBの jcb.jp も本物(証明書の会社法人等番号が jcb.co.jp と一致)、丸井の 0101.co.jp も本物だと確認しています。逆に、証明書の組織名がカードのブランド名と一致しない正常なケース(ビューカードはJR東日本情報システム名義、セディナは三井住友カード名義)もあり、そこを取り違えると本物を偽物と判断してしまいます。
明細書の有料化は、オリコだけの話ではありません
紙の明細書を有料にする動きは各社に広がっています。手数料そのものの値上げ・新設は2026年の大きな流れで、CardLensの集計では確認できた改悪39件のうち11件が手数料の値上げ・新設でした。全体像は【独自集計】2026年のクレジットカード改悪を数えて分かったことに整理しています。
この検証結果は、出典として本ページ(https://cardlens.jp/news/orico-statement-fee-202610/ )へのリンクを添えていただければ、記事・資料・SNSなどで自由にご利用いただけます。ドメインの登録情報や転送先は変更される可能性があるため、引用時は確認日(2026-08-12)もあわせて記載してください。