「クレジットカードの改悪が多い」とよく言われる2026年。では実際に、どれくらい・いつ・どんな改悪が起きているのか。印象論ではなく数で見るために、CardLensが一次情報(各カード会社の公式告知)で確認して速報化した85件を集計しました。このうち利用者に不利な変更(改悪)は74件です。すべての項目は個別の速報ページに公式の出典URLと確認日をつけています。
前回集計(2026年8月5日時点・39件)から46件増えて85件になりました。数が増えたぶん、内訳の重心も動いています。何がどう変わったかも含めて見ていきます。
この集計の前提(数え方)
数える前に、何をどう数えたかを先に置きます。ここが分からない集計は使い物になりません。
- 対象は、CardLensのカード改悪・変更ウォッチに掲載している85本です(2026年10月7日時点)。
- 速報記事1本を1件として数えています。1本の記事が複数の改定をまとめている場合(ANAのマイル改定まとめなど)も1件です。したがって改定の件数ではなく、記事の件数です。
- カテゴリの内訳は 改悪74件・お知らせ8件・キャンペーン2件・ハック1件(合計85件)。月別の分析は改悪74件を対象に、発行会社系統の分析は85本全体を対象にしています。
- 「施行月」は、その改定が実際に効き始める月です。利用分ベース・請求分ベース・売上処理日ベース・口座振替分ベースが混在するため、各記事で確定させた実質の開始月を採っています。規約の効力発生日ではありません。
- 改悪74件のうち、施行月を1つに特定できたのは69件です。残り5件は複数の施行日を含むまとめ記事、または撤回により施行日が無くなったものなので月別集計から外しました(三菱UFJニコスの公共料金ポイント引き下げは、カードのロゴマークによって2026年12月28日ご請求分と2027年1月12日ご請求分に分かれるためここに入れています)。
- 各項目は各社の公式ページ・公式告知を一次情報として確認済みです。結合セルのある料率表は生HTMLで構造を確認し、金額が画像の中にしかない場合は画像を開いて確認しています。
- 撤回・延期されたものは改悪として数えていません。ビューカードが2026年9月請求分から新設予定だった回収事務手数料440円は、2026年7月31日に「当分の間、請求しない」と発表されたため除いています。
- これは「2026年に起きた全改悪」ではありません。CardLensが確認して記事にできた分です。
分かったこと① 施行は2026年8月・10月・11月に山ができる
施行月を特定できた69件を並べると、はっきり3つの山が出ます。
| 施行月 | 件数 | |
|---|---|---|
| 2026年2月 | 1 | ▍ |
| 2026年3月 | 3 | ▍▍▍ |
| 2026年4月 | 4 | ▍▍▍▍ |
| 2026年5月 | 1 | ▍ |
| 2026年6月 | 4 | ▍▍▍▍ |
| 2026年7月 | 2 | ▍▍ |
| 2026年8月 | 13 | ▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍ |
| 2026年9月 | 4 | ▍▍▍▍ |
| 2026年10月 | 11 | ▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍ |
| 2026年11月 | 11 | ▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍▍ |
| 2026年12月 | 3 | ▍▍▍ |
| 2027年1月 | 5 | ▍▍▍▍▍ |
| 2027年2月 | 2 | ▍▍ |
| 2027年3月 | 2 | ▍▍ |
| 2027年4月 | 2 | ▍▍ |
| 2028年4月 | 1 | ▍ |
前回の集計(2026年8月5日時点・39件)では10月が最多でしたが、その後の調査で8月施行分が大きく増えました。これは8月に改悪が増えたというより、施行が終わった改定を後から掘り当てたことによるものです。施行済みの改定は告知が流れてしまい、使おうとした場面で初めて気づく類のものになります。
2027年以降に施行されるものが14件あります。いま発表されているものだけでも、来年以降に効いてくる変更がこれだけ積まれています。
なかでも2027年1月が5件で、2026年8月・10月・11月の山に次ぐ数になりました。dカードの通常決済が100円1ポイント→200円1ポイントになるのも、楽天カードのAndroid版タッチ決済が終わるのも、ENEOSカードで税金・公金がポイント対象外になるのも、この月です。2026年の山を越えたあとに、もうひとつ山が来ます。
分かったこと② 発行会社系統ではクレディセゾン/UCが最多
85本すべてを発行会社の系統に割り当てました。1本の記事に複数社が登場する場合は主対象の1社に寄せています。割り当ては記事IDで明示的に行い、重複なし・未割当なしで合計85件が一致することを確認しています(前回集計では系統別の合計が総数と2件ずれていました。今回の数え直しで解消しています)。
| 系統 | 件数 | うち改悪 |
|---|---|---|
| クレディセゾン/UC | 8 | 8 |
| JALカード | 7 | 6 |
| 三井住友カード/Olive | 7 | 4 |
| 楽天 | 6 | 4 |
| 私鉄系(東急・小田急・京王・東武・西武) | 6 | 6 |
| dカード/ドコモ | 5 | 5 |
| JCB | 5 | 3 |
| コンビニ系(セブン・ローソン) | 5 | 4 |
| PayPay | 4 | 3 |
| ビューカード/JR東日本系 | 4 | 4 |
| 三菱UFJニコス | 5 | 5 |
| ANA | 3 | 3 |
| au PAY | 3 | 3 |
| ジャックス | 3 | 3 |
| アメックス | 2 | 2 |
| ライフカード | 2 | 2 |
| 百貨店系(大丸松坂屋・PARCO・阪急阪神) | 2 | 2 |
| 石油系(ENEOS・apollostation) | 2 | 2 |
| イオン | 1 | 0 |
| エポス | 1 | 1 |
| エムアイカード | 1 | 1 |
| オリコ | 1 | 1 |
| ダイナース | 1 | 1 |
| マネックス | 1 | 1 |
| 合計 | 85 | 74 |
件数は「その会社の改悪の激しさ」ではありません。三井住友カード/Oliveの7件のうち改悪は4件で、残りはお知らせ・キャンペーン・ハックです。JALカードの7件も1件はお知らせ(更新カードの発送方法)です。改悪の多さで並べるなら「うち改悪」の列を見てください。
セゾン/UCが多いのは、同社が券種ごとに個別告知を出すためです。カードサービス手数料の対象追加、ETCカードサービス手数料の新設、おサイフケータイ版QUICPayの終了などが別々の告知になっています。1社の改悪が激しいというより、告知の粒度が細かいと読むのが正確です。
分かったこと③ 「いつから」の基準が会社ごとにバラバラ
集計していて一番効いたのはこれです。同じ「11月から」でも、意味が違います。
| 基準 | 意味 | 実例 |
|---|---|---|
| ご利用分 | カードを使った日で判定 | JALカードのTOICAチャージ(2026年8月16日ご利用分から) |
| ご請求分 | 請求が立つ月で判定 | au PAY カードのリボ手数料(2027年1月ご請求分から) |
| 売上処理日 | 加盟店からの売上データが処理された日で判定 | au PAY カードの外貨事務処理手数料(2026年11月20日以降に処理された売上) |
| 口座振替分 | 引き落とし月で判定 | ダイナースクラブの年会費(2026年4月10日以降の口座振替分から) |
| 出発日 | 旅行の出発日で判定 | アメックス プラチナの海外旅行保険(2026年10月1日出発分から) |
旅行中に使ったカードの売上が締めをまたいで処理されると、新しい料率が適用される——といった事故は、この基準の違いから起きます。告知の日付だけを見て「まだ先」と判断すると外します。
分かったこと④ 「持っているだけで効く」前提が崩れている
2026年に目立ったのは、保有しているだけで受けられていたものに条件が付くタイプです。
- 固定費の付与単位を薄める — 三菱UFJニコスが公共料金・税金・保険料・通信費のポイント付与を1,000円1pt→5,000円1ptに(NICOSマークは2026年12月28日ご請求分、MDCマークは2027年1月12日ご請求分から)。率そのものは触らず付与単位を5倍にすることで、実質の還元を5分の1にしている
- 海外旅行傷害保険の利用付帯化 — 三井住友カード、ライフカード、アメックス プラチナ、JALダイナース。持っているだけでは補償されず、旅行代金の決済が要る形へ
- 年1回の利用が条件になる手数料 — セゾンのカードサービス手数料、同ETCカードサービス手数料。使わないと年2,200円
- 「永年無料」そのものに条件が付く — ライフカードが未利用手数料1,650円の対象を年会費無料カードにも拡大(2026年10月)、dカードが前年度に1度も利用がない場合に年会費1,650円(2027年1月から判定・2028年2月請求分から)。無料の前提が「持っていること」から「使っていること」に変わりました
- ラウンジの回数制限 — SAISON GOLD Premiumが国内ラウンジ無制限から年2回へ、apollostation THE PLATINUMのプライオリティ・パスが年30回から年5回へ
- 年間決済額による区分 — ANAスーパーフライヤーズカードが300万円を境に2区分へ(2028年4月)
分かったこと⑤ 手数料は「率」より「基準」と「遡及」が効く
リボ・分割手数料の引き上げが2026年後半に集中しました。ここで実害を左右するのは率の幅ではなく、改定前の残高に新しい率がかかるかどうかです。
au PAY カードの親告知にはこうあります。
2026年11月10日以前のご利用分も含め2027年1月以降のご請求分は全て改定後の手数料率となります。
すでに抱えている残高にも新料率がかかります。一方で利用日基準の会社もあり、そちらは改定前の利用分は旧料率のままです。同じ「引き上げ」でも、遡及するかどうかで負担がまったく違います。
この集計を引用してください(条件つきで自由に使えます)
この記事の数値・表は、次の条件を満たせば自由に引用・転載していただけます。商用・非商用を問いません。事前の連絡も不要です。- 出典として「CardLens」と明記し、引用元ページへのリンクを張ってください。リンク先は本記事のURLです
- 数値を改変しないでください。四捨五入や単位の変更も含みます。数え方の前提が変わると意味が変わるためです
- 「この集計の前提(数え方)」の要点を添えてください。最低限、「速報記事1本を1件として数えた件数であること」「CardLensが確認できた分であること」の2点です
- 表全体を転載する場合も上記と同じ条件です
なぜ許諾を出すのか。この集計は各社の公式告知を一次情報で確認して積み上げたもので、同じものを作るには同じ手間がかかります。使っていただける形にしておくほうが、数字が正しく広がると考えています。誤りを見つけた場合は指摘していただければ訂正します。
出典の確認方法。各件の根拠はカード改悪・変更ウォッチの個別記事にあり、すべての記事に公式ページのURLと確認日を記載しています。集計値の検算もできる形にしてあります。
改悪で損したら、乗り換え先で取り返す
数えて分かるのは、どの経済圏にいても無傷ではいられないということです。全系統に改悪が出ています。
現実的な対処は2つです。
- 自分が使っている機能が変わったかを確認する。年会費や還元率の全体像ではなく、自分が実際に使っている1つ2つの機能です。公共料金の支払い、チャージ、空港ラウンジ、海外旅行保険、明細の受け取り方
- 条件が合わなくなったら乗り換える。カード比較と診断で、いまの使い方に合うカードを探せます
施行日順の一覧は2026年 クレジットカードの改悪・変更まとめにあります。
この集計について(方法・出典・更新)
- 集計日: 2026年10月7日
- 対象: CardLens掲載の速報85本(改悪74・お知らせ8・キャンペーン2・ハック1)
- 元データ: カード改悪・変更ウォッチの全記事。各記事に公式出典URLと確認日あり
- 更新: 速報の追加にあわせて随時。前回集計は2026年9月30日時点の81本、その前は2026年8月5日時点の39件
- 訂正の指摘: サイトの問い合わせ窓口から受け付けています
※本記事は2026年10月7日時点の集計です。各改定の最新の内容は必ず各社公式でご確認ください。