「クレジットカードの改悪が多い」とよく言われる2026年。では実際に、どれくらい・いつ・どんな改悪が起きているのか。印象論ではなく数で見るために、CardLensが一次情報(各カード会社の公式告知)で確認して速報化した2026年の改悪・変更39件を集計・分析しました。すべての項目は個別の速報ページに公式の出典URLと確認日をつけています。
前回集計(2026年7月30日時点・34件)から5件増え、内訳の重心も動きました。何が変わったかも含めて見ていきます。
この集計の前提(数え方)
- 対象:CardLensのカード改悪・変更ウォッチのうち、利用者に不利な変更(改悪)として記録した39件(キャンペーンや中立的なお知らせは除外)。
- 各項目は各社の公式ページ・公式告知を一次情報として確認済み。数値が結合セルの表で告知されている改定は、生のHTML・公式原文まで遡って照合しています。
- 「施行月」は、その改悪が実際に効き始める月(利用分・請求分ベース)で数えています。規約の効力発生日ではなく、利用者の財布に効き始める時点をとっています。
- 撤回・凍結されたものは数えていません。ビューカードが2026年9月請求分から新設予定だった「回収事務手数料440円」は、2026年7月31日に公式が「当分の間、請求しない」と発表したため、この39件には含めていません(経緯)。
- これは「2026年に起きた全改悪」ではなく、CardLensが確認・記録できた分です(このほかにも検証中の変更があり、随時追加しています)。あくまで傾向を読むための集計としてご覧ください(確認日2026-08-05)。
分かったこと① 改悪の「施行」は10月と8月に山ができる
いつ効き始めるかを月別に並べると、2026年10月が8件で最多、次いで8月が6件と山ができました。さらに6月と11月が4件ずつ。年度の変わり目(4月)、半期の節目(10月)、そして夏(8月)に改定が集まる傾向は、前回集計から変わっていません。
| 施行月 | 件数 |
|---|---|
| 2026年2月 | 1 |
| 2026年3月 | 2 |
| 2026年4月 | 3 |
| 2026年5月 | 1 |
| 2026年6月 | 4 |
| 2026年7月 | 2 |
| 2026年8月 | 6 |
| 2026年9月 | 3 |
| 2026年10月 | 8 |
| 2026年11月 | 4 |
| 2026年12月 | 1 |
| 2027年1月 | 1 |
| 2027年2月 | 1 |
| 2027年4月 | 2 |
告知は施行の数か月前に出ることが多いので、「気づいたら還元が下がっていた」を防ぐには、固定費や積立など“設定して忘れる”支払いを、施行月の前に見直すのが有効です。自分のカードでいくら変わるかは還元率シミュレーターで試算できます。
分かったこと② 「還元の引き下げ」と「手数料の値上げ」で全体の約6割
改悪の“型”を主な内容で分類すると、次のようになりました(1件につき最も中心的な型で分類)。
| 改悪の型 | 件数 |
|---|---|
| ポイント還元の引き下げ | 12 |
| 手数料の値上げ・新設 | 11 |
| 特典・サービスの終了/縮小 | 4 |
| チャージ/積立が集計・付与の対象外に | 4 |
| 付帯保険の縮小 | 3 |
| 空港ラウンジ・プライオリティパスの縮小 | 2 |
| その他の条件変更 | 2 |
| 年会費の改定 | 1 |
上位2つの「ポイント還元の引き下げ」12件と「手数料の値上げ・新設」11件だけで、全体の約6割(23/39)を占めます。還元率が下がるだけでなく、これまで無料だった手数料の有料化・値上げが同じ規模で進んでいるのが2026年の姿です。還元率の数字が変わっていなくても、手数料でじわじわ実質改悪になっているケースに注意が必要です。
前回集計(7月30日)からの変化としていちばん大きいのは、「手数料の値上げ・新設」が7件から11件へ増えたことです。その中身が次の③です。
分かったこと③ 2026年後半の新しい塊は「リボ・分割手数料の一斉値上げ」
手数料の改悪11件のうち4件が、リボ払い・分割払いの手数料率の引き上げでした。しかも短期間に横並びで起きています。
| 発行会社 | リボ払い(実質年率) | 既存残高への遡及 | 効き始め |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJニコス(MUFG/DC/NICOS) | 18.00%→19.80% | あり | 2026年11月利用分〜順次 |
| au PAYカード/ゴールド | 18.00%→19.80% | あり | 実質2026年11月利用分〜 |
| JCB | 8.04〜15.00%→18.00% | なし(利用日基準) | 2026年10月1日ご利用分〜 |
| エムアイカード(三越伊勢丹) | 15.00%→18.00% | なし(利用日基準) | 2026年12月6日ご利用分〜 |
各社の説明はそろって「経済環境の変化・継続的な物価上昇等を勘案」です。金利上昇局面で資金の調達コストが上がると、カード会社の手数料率も上がりやすくなります。2026年はリボの実質年率が19.80%前後に収れんしていく流れで、ほかの発行会社に広がる可能性があります。
最大の分かれ目は「いま抱えているリボ残高にも新料率がかかるか」で、ここは会社によって扱いが正反対です。各社の比較と対策は2026年のリボ・分割手数料 値上げまとめにまとめました。
そのほかの手数料改悪も、方向は同じです。ETCカードの発行手数料(三菱UFJニコス・JALカード)、明細書の発行手数料(オリコ)、支払い遅延時の回収事務手数料(セゾン)、使わないと年1,650円の未利用手数料(ライフカード)、外貨決済の事務処理手数料(東急カード)——これまで「無料が当たり前」だった部分が、次々と有料化されています。
分かったこと④ 「持っているだけで保険が効く」前提が崩れている
付帯保険の縮小は3件になりました。数としては多くありませんが、影響の質が大きいため独立して見ておく価値があります。
- ライフカード:海外旅行保険を自動付帯→利用付帯に変更し補償額も引き下げ。学生専用カードの海外旅行保険は廃止(詳しく)
- アメリカン・エキスプレス:携行品損害保険の補償を終了(グリーン・ゴールド等が対象)(詳しく)
- アメックス・プラチナ:海外旅行保険の「カード決済なしでも補償される部分」を変更=実質、利用付帯方向へ(詳しく)
いずれも「自動付帯 → 利用付帯」または「補償項目そのものの廃止」という同じ方向です。旅行代金をそのカードで払わないと保険が効かない、という前提に変わりつつあります。海外に行く前に、自分のカードが自動付帯なのか利用付帯なのかを確認しておいてください。
分かったこと⑤ 大手経済圏ほど改悪が多い
発行会社・経済圏別に見ると、上位はドコモ(dカード)4件、セゾン/UC 3件、PayPay 3件。3大経済圏(ドコモ・PayPay・楽天)だけで9件=全体の約23%を占めました。利用者が多く、キャンペーンで一度上げた還元を後から調整する動きが、大手ほど目立ちます。
| 発行会社・経済圏 | 件数 |
|---|---|
| ドコモ(dカード) | 4 |
| セゾン/UC | 3 |
| PayPay | 3 |
| 楽天 | 2 |
| 三菱UFJニコス | 2 |
| 三井住友カード | 2 |
| JCB | 2 |
| 東急 | 2 |
| ライフカード | 2 |
| au/Ponta | 2 |
| アメリカン・エキスプレス | 2 |
| その他(エポス・JAL・オリコ・マネックス・セブン・出光・ENEOS・ローソン・東武・エムアイ・ルミネ・PARCO/大丸松坂屋・ビュー/JRE など各1) | 各1 |
「大手の経済圏カード1枚にまとめておけば安心」という時代ではなくなりつつあります。1枚に集約するより、下がりにくい領域ごとに使い分けるほうが、改悪の影響を受けにくいのが実態です。
そこから言えること:改悪で損したら「乗り換え先」で取り返す
改悪は「損した」で終わりにせず、下がっていない別のカードに寄せれば取り返せることがほとんどです。CardLensが公式一次情報で比較した“乗り換え先”を、代表的な改悪領域ごとにまとめています。
- リボ・分割の手数料値上げ(2026年後半の最大の塊):遡及する会社かどうかの見分け方と対策は2026年のリボ・分割手数料 値上げまとめへ。
- 公共料金・税金(dカード・PayPayカードの半減後):維持組(リクルート1.2%・au PAY 1%・JCB W 1.0%相当)がどれかは公共料金・税金のカード比較で検証しています。
- 空港ラウンジ・プライオリティパス(縮小が相次ぐ領域):今も無料回数が多いカードはプライオリティ・パス改悪まとめで比較しています。
- 100万円修行・年会費優遇(チャージ対象外化):何が利用額に数えられるかはゴールドカードの100万円修行比較へ。
- クレカ積立(条件付き化):主要7組の現行還元率はクレカ積立の還元率比較へ。
- チャージでのポイント稼ぎ:カード会社別の可否はチャージでポイントは貯まるのか(2026年の一覧)へ。
一つひとつの改悪の詳細(いつから・誰に・いくら)は2026年の改悪まとめに時系列で、最新の変更はカード改悪・変更ウォッチで随時追加しています。
この集計について(方法・出典・更新)
本記事の数値は、CardLensが公開している改悪速報39件を、2026-08-05時点で集計したものです(前回集計は2026-07-30時点の34件)。各件の根拠は個別の速報ページに公式告知URLと確認日を明記しています。撤回・凍結された変更は件数に含めていません。改悪は今後も増減するため、本集計は定期的に更新します。
データの引用は、出典として本ページ(https://cardlens.jp/articles/card-kaiaku-data-2026/ )へのリンクを添えていただければ、記事・資料・SNSなどで自由にご利用いただけます。数値は更新され得るため、引用時は集計時点(2026-08-05)もあわせて記載していただけると読者に親切です。
なお、施行時期・条件は各社の判断で変更される場合があります。金額・条件の最終確認は必ず各カード会社の公式ページで行ってください。