ANA VISA ワイドゴールドカードの年会費は15,400円。ただし比べるべき相手は年会費無料のカードではありません。
比較相手はANA VISA一般カード(年2,200円)+マイル移行2倍コースの手数料6,600円=年8,800円です。三井住友カード発行のANAカードは一般カードのままだと買い物のマイルが200円=1マイル(0.5%)。200円=2マイル(1.0%)にするには毎年6,600円かかり、ワイドゴールドはこれが無料になります。
つまり判断は差額6,600円を取り返せるかの一点に絞れます。
スペック
ANA VISA ワイドゴールドカード
発行は三井住友カード株式会社、国際ブランドはVisa。申込資格は同社公式の表記で「原則として、満18歳以上(高校生を除く)で、ご本人に安定継続収入のある方」、あわせて「ゴールドカード独自の審査基準により発行」とあります。総利用枠は50〜200万円が目安(確認日2026-08-06)。
主力特典は「マイル移行手数料6,600円が無料」
三井住友カード発行のANAカードは、ポイントをANAマイルへ移すコースを選べます。
| カード | 移行コース | レート | 移行手数料(税込) |
|---|---|---|---|
| ワイドゴールドカード | 2倍コース | 1ポイント=2マイル | 無料 |
| 一般・ワイド・学生カード | 2倍コース | 1ポイント=2マイル | 6,600円/年度(4月1日〜翌年3月31日) |
| 一般・ワイド・学生カード | 通常コース | 1ポイント=1マイル | 無料 |
出典:三井住友カード公式「ANAカード」(確認日2026-08-06)
ポイントの付与単位はお買物利用200円(税込)につき1ポイントです。100円ごとではありません。200円未満の端数は決済ごとに切り捨てなので、少額決済が多いほど実際の還元は下がります。
「100円=2マイル相当」はANA航空券の欄の数字
ANA公式のカード一覧に出てくる「100円=2マイル 相当」は、「ANA航空券の購入で貯まる」欄の値です。日常の買い物を指す「ショッピングのご利用で貯まる」欄は、同じ一覧の中で200円=2マイルと別に書かれています(確認日2026-08-06)。注記は「ANAカードマイルプラスでの自動積算マイル+ポイント移行マイル」で、内訳は2本立てです。
| 内訳 | 中身 | ANA航空券100円あたり |
|---|---|---|
| ポイント移行分 | 200円=1ポイント=2マイル | 1マイル |
| ANAカードマイルプラス自動積算分 | ANA航空券の購入は対象 | 1マイル |
| 合計 | — | 2マイル |
ANAカードマイルプラスは加盟店・対象商品での利用が対象で、三井住友カード公式の表記は「100円=1マイルまたは200円=1マイル」。積算率は対象ごとに異なります。対象外の買い物で貯まるのはポイント移行分だけ、つまり200円=2マイル(1.0%)です。「どこで使っても2%」ではありません。
また2倍コースの対象は「ANAマイレージ移行可能ポイント」で、キャンペーン等で付く通常のVポイントは5ポイント=3マイル(1ポイント=0.6マイル)です。ボーナスポイントを大量にもらってもマイルが倍になるわけではありません。
年会費15,400円の損益分岐
同じ「200円=2マイル」に年いくらかかるかを並べます(公式公表値、確認日2026-08-06)。
| 選び方 | カード年会費 | 移行手数料 | 年間合計 |
|---|---|---|---|
| ANA VISA一般カード(通常コース) | 2,200円(初年度無料) | 無料 | 2,200円 |
| ANA VISA一般カード(2倍コース) | 2,200円(初年度無料) | 6,600円 | 8,800円 |
| ANA VISAワイドカード(2倍コース) | 7,975円 | 6,600円 | 14,575円 |
| ANA VISAワイドゴールド | 15,400円 | 無料 | 15,400円 |
比べるべきは2行目、差は年6,600円です。
3行目と4行目の差にも注目を。825円しかありません。搭乗ボーナス25%も継続2,000マイルもワイドカードと同じなので、本会員だけなら825円の上乗せで国内旅行傷害保険と空港ラウンジが付き、お買物安心保険も年間100万円から300万円に上がる計算です。「ワイドカード+2倍コース」は選ぶ理由が乏しい組み方といえます。ただし家族カードは1,650円から4,400円に上がるので、家族分を作るなら差はここまで小さくなりません。
差額6,600円で増えるものは3つだけ
| 項目 | ANA VISA一般カード | ANA VISAワイドゴールドカード | 差 |
|---|---|---|---|
| 入会・継続ボーナスマイル | 1,000マイル | 2,000マイル | +1,000マイル/年 |
| 搭乗ボーナス | 10% | 25% | +15%分 |
| 付帯保険 | 海外・国内航空1,000万円 | 海外・国内とも5,000万円 | 下表で詳述 |
| 買い物のマイル | 200円=2マイル | 200円=2マイル | 同じ |
| 家族カード年会費 | 1,100円(初年度無料) | 4,400円 | +3,300円(負担増) |
家族分を作るなら、この3,300円の差も上乗せして考えてください。
年に何マイル飛べば逆転するか
金額に換算できるのは「継続ボーナス+1,000マイル」と「搭乗ボーナスの差15%分」です。搭乗ボーナスは区間基本マイレージを基準に加算されます。
増えるマイル = 1,000マイル + 年間の区間基本マイレージ × 15%| マイルの評価 | 6,600円に必要 | 継続分を引いた残り | 必要な年間区間基本マイレージ |
|---|---|---|---|
| 1マイル=2.0円(特典航空券向け) | 3,300マイル | 2,300マイル | 約15,300マイル |
| 1マイル=1.5円 | 4,400マイル | 3,400マイル | 約22,700マイル |
| 1マイル=1.0円(ANA SKY コイン等) | 6,600マイル | 5,600マイル | 約37,300マイル |
たとえば年間の区間基本マイレージが20,000マイルなら搭乗ボーナスの差は3,000マイル、継続ボーナスを足して年4,000マイルです。1マイル=1.5円なら6,000円相当で600円の持ち出し、1マイル=2円なら8,000円相当で1,400円のプラスになります。
フライトだけで6,600円を回収できる人は多くありません。残りを保険と空港ラウンジで埋められるかが実際の判断です。年間区間基本マイレージはANAマイレージクラブの積算履歴で確認できます。
誤解しやすいところ
ANAラウンジは使えません
使えるのは三井住友カードのゴールド特典である空港ラウンジサービス(カードラウンジ)で、ANA便搭乗客向けの「ANA LOUNGE」は対象外です。ANA公式のカード一覧でも、国内線ANA LOUNGE対象のアイコンはプレミアムカード系だけに付いています(確認日2026-08-06)。
海外旅行傷害保険は自動付帯ではありません
三井住友カード発行(VISA/Mastercard)のANAカードは、海外旅行傷害保険が利用付帯とされています。事前のカード決済が条件になるということです。付帯条件はカードごとに変わりうるので、申し込み前にANA公式の付帯保険ページで必ず確認してください。
そのうえで2025年10月16日(木)以降に出発する旅行から条件が厳しくなりました。三井住友カードの告知によれば、改定対象は「2025年10月16日時点で海外旅行傷害保険が利用付帯である全カード」で、個人向けの提携カードも含まれます。従来の3条件のうち、3番目が廃止されました。
| 条件 | 2025年10月16日以降 |
|---|---|
| 1. 出国前に公共交通乗用具(航空機・電車・船舶等)の利用代金を当該カードで決済 | 有効 |
| 2. 出国前に募集型企画旅行の旅行代金を当該カードで決済 | 有効 |
| 3. 出国後に公共交通乗用具の利用代金を当該カードで決済 | 廃止 |
出典:三井住友カード公式のお知らせ(確認日2026-08-06)
出発前にこのカードで航空券かツアー代金を払っておく必要がある、ということです。特典航空券で飛ぶ場合、現地の交通費をカードで払っても条件を満たしません。決済額の下限が設けられているかどうかは告知に記載がないため、申し込み前に発行会社へご確認ください。
なお「ANAワイドゴールドは自動付帯」という説明はJCB版を指していることがあります。ANA JCBワイドゴールドカードは年会費15,400円・家族4,400円で同額ですが、ANA公式のカード一覧では海外旅行傷害保険が最高1億円(VISA/Mastercard版は最高5,000万円)と、補償額そのものが違います(確認日2026-08-06)。自動付帯か利用付帯かという付帯条件は発行会社ごとに異なるので、JCB版を検討するならJCBの公式ページで確認してください。
付帯保険とその他の費用
最高補償額は公式公表値(確認日2026-08-06)。
| 項目 | 一般カード | ワイドカード | ワイドゴールド |
|---|---|---|---|
| 海外旅行傷害保険(最高) | 1,000万円 | 5,000万円 | 5,000万円 |
| 国内航空傷害保険(最高) | 1,000万円 | 5,000万円 | 5,000万円 |
| 国内旅行傷害保険(最高) | なし | なし | 5,000万円 |
| お買物安心保険 | 年間100万円まで | 年間100万円まで | 年間300万円まで |
| 空港ラウンジ | — | — | あり |
お買物安心保険は、一般カードとワイドカードでは三井住友カード公式に「海外でのご利用および国内でのリボ払い・分割払い(3回以上)のご利用のみ対象」と条件が付きます。ワイドゴールドの年間300万円にはこの条件の記載がありません(確認日2026-08-06)。
なお表の金額はいずれも最高補償額で、旅行傷害保険は死亡・後遺障害/治療費用/賠償責任/携行品損害など項目ごとに上限が分かれています。項目ごとの内訳と、どの項目が対象になるかはカードによって異なるため、ANA公式の付帯保険ページで必ず確認してください。海外で実際に使う可能性が高いのは治療費用なので、最高額だけを見て比べるのは危険です。
- 家族カード:年会費4,400円(税込)
- ETCカード:年会費無料。ただし前年度に一度もETC利用の請求がないと翌年度550円(税込)(三井住友カード公式)
- 公式には年会費割引特典「マイ・ペイすリボ」の記載もありますが、リボ払いの設定が前提で手数料負担が生じうるため、条件は公式で確認を
- 2026年4月以降に届くカードからiDと楽天Edyの搭載が順次終了。iDはApple Pay/Google Payで継続できますが楽天Edyの残高は引き継げません(詳細)
◎ 良いところ
- 2倍コース(1ポイント=2マイル)の移行手数料6,600円が無料。買い物のマイル還元は200円=2マイルで1.0%
- 入会・継続ボーナスマイルが毎年2,000マイル(一般カードは1,000マイル)
- ANA便の搭乗ボーナスが区間基本マイレージの25%(一般カードは10%)
- 国内旅行傷害保険が最高5,000万円(一般カード・ワイドカードは対象外)
- 空港ラウンジサービス、ゴールドデスク、年間300万円のお買物安心保険
△ 注意したいところ
- 海外旅行傷害保険は利用付帯。2025年10月16日以降出発分は出国前の決済が必須になった
- ANA LOUNGEは使えない。使えるのは三井住友カードのカードラウンジ
- 家族カード年会費4,400円は一般カード(1,100円)より3,300円高い
- ポイント付与は200円(税込)につき1ポイント。200円未満の端数は切り捨て
- キャンペーン等の通常Vポイントは5ポイント=3マイルで、2倍コースのレートは適用されない
向く人、向かない人
向いています- 年間の区間基本マイレージが15,000〜23,000マイル以上ある人(1マイル=1.5〜2円で使える前提)
- すでに一般カードで2倍コースの6,600円を毎年払っている人。差は年6,600円まで縮んでいます
- ワイドカードで2倍コースを使っている人。差は年825円です
- 年間の区間基本マイレージが1万マイルに届かない人。搭乗ボーナスの差が1,500マイル未満では、継続分を足しても6,600円に遠いです
- ANA便にほとんど乗らない人。買い物のマイルは一般カードの2倍コースと同じで、年6,600円が持ち出しです
- 海外旅行の保険が主目的の人。利用付帯かつ出国前決済が必須です
- 家族カードを2枚以上作りたい人。1枚4,400円で、2枚なら8,800円の上乗せです
他のカードと並べてみる
数値はANA公式・三井住友カード公式の公表値(確認日2026-08-06)。還元率はマイル建てです。
| カード | 買い物のマイル | 年会費(税込) | 搭乗ボーナス | ひとこと |
|---|---|---|---|---|
| ANA VISA ワイドゴールドカード | 200円=2マイル(1.0%) | 15,400円 | 25% | 移行手数料6,600円が無料 |
| ANAカード(一般) | 200円=1マイル(0.5%) | 2,200円(初年度無料) | 10% | 2倍コースは別途6,600円 |
| ANA JCB一般カード | 200円=1マイル(0.5%) | 2,200円(初年度無料) | 10% | 2マイルコースは5,500円 |
| ANA JCB CARD FIRST | 200円=2マイル(1.0%) | 無料(5年間) | 10% | 18歳以上29歳以下・学生を除く |
| ANAアメックス・ゴールド | 100円=1マイル(1.0%) | 34,100円 | 25% | 100円単位だが年会費は倍以上 |
ANAマイルを貯めないなら、三井住友カード ゴールド(NL)のように年会費の安いカードのほうが素直です。選ぶ理由は「2倍コースの手数料6,600円を毎年払う予定がある」の一点に集約されます。
まとめ
ANA VISA ワイドゴールドカードは「マイル移行の2倍コース手数料6,600円が無料になるANAカード」と理解するのが正確です。買い物のマイルは手数料を払った一般カードと同じ200円=2マイル。増えるのは継続ボーナス+1,000マイル、搭乗ボーナス10%→25%、保険だけです。
判断の起点は去年のマイル積算履歴です。年間の区間基本マイレージが15,000〜23,000マイルを超えているならフライトだけで差額に手が届きます。届かないなら、保険とラウンジに残りを払う価値があるかで決めることになります。元の取り方はゴールドカードの損益分岐も参考になります。
よくある質問
年会費はいくらですか?
本会員15,400円(税込)、家族会員4,400円(税込)。初年度無料はありません。ETCカードは年会費無料ですが、前年度に一度もETC利用の請求がないと翌年度550円(税込)です。申し込み前に三井住友カード公式でご確認ください(確認日2026-08-06)。
還元率1.0%はどういう計算ですか?
お買物利用200円(税込)につき1ポイント、それを2倍コース(1ポイント=2マイル)で移行するので200円=2マイル、1.0%です。この移行手数料が無料なのがワイドゴールドで、一般カード・ワイドカード・学生カードは年度あたり6,600円(税込)かかります。
ANAラウンジは使えますか?
使えません。付くのは三井住友カードのゴールド特典である空港ラウンジサービス(カードラウンジ)で、ANA便搭乗客向けの「ANA LOUNGE」とは別です。ANA公式のカード一覧でも、ANA LOUNGE対象のアイコンはプレミアムカード系だけに付いています(確認日2026-08-06)。
海外旅行傷害保険は自動付帯ですか?
いいえ、利用付帯です。2025年10月16日(木)以降出発の旅行から「出国後の決済」条件が廃止され、出国前に公共交通乗用具の利用代金か募集型企画旅行の代金を当該カードで決済する必要があります(三井住友カード公式)。ANA JCBワイドゴールドカードは発行会社が違うため付帯条件も補償額も異なります。JCBの公式ページで確認してください。
一般カードから切り替える価値はありますか?
すでに一般カードで2倍コースの6,600円を払っているなら差は年6,600円。年間の区間基本マイレージが約15,300マイル(1マイル=2円評価)〜約22,700マイル(1マイル=1.5円評価)を超えていればフライトだけで回収できます。通常コース(無料・200円=1マイル)のまま年2,200円で持っている人は差が13,200円に広がります。
最新の年会費や特典はANA VISA ワイドゴールドカードの詳細ページ、比較はカード一覧から。改悪・変更はカード改悪・変更ウォッチで追っています。