先に大事なことを言います。審査基準はどのカード会社も非公開です。ネットの「これで必ず通る」という情報は全部憶測です。この記事では、断定できない部分は断定せず、公開されている確かな仕組みだけを整理します。それだけでも、審査への漠然とした不安はかなり消えるはずです。
審査で使われる2種類の情報
1. 申込内容(属性情報)
申込フォームに書く情報。年齢・職業・年収・居住形態・勤続年数などです。一般に「3C」と呼ばれる観点で評価されると言われます。
| 観点 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| Character | 返済に対する誠実さ | 過去の支払い履歴 |
| Capacity | 返済する資力 | 収入・職業・勤続年数 |
| Capital | 資産 | 持ち家・預貯金など |
多くのカード会社はこれらをコンピューターで自動的に点数化(スコアリング)して判定していると言われています。人間の面接ではなく、機械的な採点です。だからこそ、申込フォームの入力ミスや空欄がそのまま評価に響きます。
2. 信用情報(信用情報機関への照会)
カード会社は、CIC(指定信用情報機関)などに登録されたあなたの信用情報を照会します。CICが公表している登録内容は主に3つです。
- 申込情報。いつ・どこのクレジットやローンに申し込んだか(照会記録)
- クレジット情報。契約内容、支払状況、残高。支払いの遅れ(異動情報)もここに記録されます
- 利用記録。カード会社などが照会した記録
つまり審査とは、「申込書に書いた今のあなた」と「信用情報に記録された過去のあなた」の両方を見る作業です。学生の記事で書いた「2ヶ月以上の滞納が約5年残る」のは、この2番の記録のことです。
見られる項目を一覧で整理する
審査で確認される要素を、大きく「属性」「信用情報」「スコアリング上の扱い」に分けて並べると、全体像がつかみやすくなります。以下はあくまで一般に語られている整理であり、実際の配点や基準は各社非公開である点は繰り返しておきます。
| 分類 | 主に見られる項目 | どう扱われると言われるか |
|---|---|---|
| 申込者属性 | 年齢・職業・雇用形態・勤続年数・年収 | 継続した収入があるかを推し量る材料 |
| 属性(生活基盤) | 居住形態・居住年数・家族構成 | 連絡が取れる安定した生活基盤かの参考 |
| 信用情報(過去) | 支払状況・異動情報(延滞) | 過去の返済の誠実さを示す記録 |
| 信用情報(現在) | 他社の契約件数・利用残高 | 返済負担が重すぎないかの目安 |
| 申込情報 | 短期間の申込件数(照会記録) | 多重申込かどうかの判断材料 |
大切なのは、これらが単独ではなく組み合わせで見られるということです。年収が高くても延滞履歴があれば評価は下がりますし、逆に収入が控えめでも履歴がきれいなら不利とは限りません。一つの数字だけで結果は決まらない、と考えるのが現実的です。
落ちやすいと言われる要因
「必ず落ちる」ものは断定できませんが、マイナスに働きやすいと一般に語られる要因は整理できます。
- 支払いの遅延・延滞。CICのクレジット情報に異動情報として残ります。金額の大小より「遅れた事実」が記録される点に注意します
- 短期間の多重申込。何社にも同時に申し込むと、照会記録から「資金繰りに困っているのでは」と見られやすいと言われます。俗に「申し込みブラック」と呼ばれる状態です
- 在籍確認が取れないこと。勤務先に電話しても在籍が確認できないと、申込内容の裏付けが取れません。転職直後や勤務先の情報が古いままだと起こりがちです
- キャッシング枠の希望が大きいこと。借入枠は年収に対する総量規制の対象になり、審査のハードルが上がる要因になり得ます
- 申込内容の誤り・虚偽。年収や勤務先の誤記は照合で発覚し、それ自体がマイナスに働きます
これらはいずれも「心当たりがあれば整えておける」ものです。次のセクションで具体的な準備に落とし込みます。
審査に臨む前にできる準備
断定できない中でも、論理的に確実な行動はあります。申し込みボタンを押す前に、次を点検してください。
- 申込内容を正確に書きましょう。年収・勤続年数・勤務先の電話番号を、手元の資料と照らして正確に。見栄で盛らないことが結果的に近道です
- キャッシング枠は必要なければ0で申し込みましょう。ショッピング利用が目的なら、キャッシング枠は無理に付けない選択が審査をシンプルにします。枠は後から申請することもできます
- 短期間に何枚も申し込まないようにしましょう。申込情報(照会記録)は各社から見えます。まず1枚に絞り、結果が出るまで次を出さないのが基本です
- 在籍確認に対応できる状態にしましょう。勤務先の電話番号を正しく記載し、日中に連絡が取れる環境を整えておきます
- 今ある支払いを守りましょう。携帯端末の分割払いもクレジット契約です。スマホの分割購入や奨学金の支払い遅れも信用情報に載るため、良い履歴の積み重ねが一番の実績になります
申し込む前に自分の信用情報を確認しておくと、より安心です。自分の信用情報はCICに開示請求して確認できます(インターネット開示・手数料あり)。「昔、支払いが遅れた記憶があって不安」という人は、方法をCICの公式サイト(情報開示とは)で確認してみてください。手数料は1,000円前後で、申し込み前のセルフチェックとして役立ちます。
審査を通過したあとの流れ
無事に審査を通過すると、おおむね次の順で進みます。カードによって細部は異なりますが、大きな流れは共通しています。
- 審査完了の通知。メールやアプリで結果が届きます
- カードの発行・発送。カード番号が発行され、多くは本人限定受取などの郵送で届きます
- 本人確認と受け取り。受け取り時や初回ログイン時に本人確認が行われることがあります
- 利用開始。到着後、カードやアプリで利用を始められます
発行までの日数はカードによって幅があります。CardLensが日本の主要カード100枚を調査したところ、即日発行に対応する系統は25枚ありました。急ぐ事情があるなら発行スピードで絞る手もあります(スピード発行で絞る)。とはいえ焦って複数社に同時申込するのは前述のとおり逆効果になりやすいので、まず1枚をていねいに、が結局は近道です。
発行後の使い方や限度額の考え方は、限度額のしくみを解説した記事もあわせて読むと理解が深まります。
よくある質問
審査に落ちたら理由は教えてもらえますか?
カード会社は審査結果の理由を開示しません。落ちた場合の考え方と次の一手は、審査に落ちたときの記事で解説しています。
年収が低いと必ず落ちるのでしょうか?
審査は年収だけで決まるものではなく、学生向けカードのように属性に合わせて設計されたカードもあります。当サイトでは「必ず通る/落ちる」の断定はしません。
在籍確認の電話は必ずかかってくるのでしょうか?
在籍確認の有無や方法はカード会社によって異なり、一律ではありません。書類などで確認が完結する場合もあります。いずれにせよ、勤務先の電話番号を正しく記載し、連絡が取れる状態にしておくことが確実な準備です。
キャッシング枠を0にすると審査は有利になりますか?
有利になると断定はできませんが、キャッシング枠は総量規制の対象になるため、必要がなければ0で申し込むほうが審査はシンプルになりやすいと言われます。枠は後から申請することもできます。
初めての1枚選びに迷ったら、初めてのカード選びガイドや、条件から探せるカード一覧もあわせてどうぞ。