東武カード(STANDARD)の基本還元率は0.5%です。無料で1.0%を超えるカードがいくらでもある中で、年1,320円(税込)を払ってこれを持つ理由はどこにあるのか。答えははっきりしていて、東武線のモバイルのPASMO定期券を買うと5.0%返ってくるという一点です。
つまり損得は東武線の定期代がいくらかでほぼ決まります。しかも2025年に発行が始まった新しい東武カードは、旧カードと違ってPASMO機能が付いていません。この記事では、定期券5.0%の適用条件と元が取れる定期代のライン、オートチャージ1.5%に必要な手続き、年1,320円の実際の内訳、旧東武カードからの移行で今月末に期限が来る手続きまで、公式の一次情報で整理します。
スペック
東武カード(STANDARD)
発行は東武マーケティング株式会社(JCB提携)、国際ブランドはJCB。貯まるのはTOBU POINTです。申し込めるのは日本国内在住の満18歳以上で、本人または配偶者に安定継続収入がある人。18歳以上の学生(高校生を除く)も対象とされています。
2026年の重要な変更(先に確認してください):旧「東武カード」「東京スカイツリー東武カードPASMO」などの従来カードは、記載の有効期限にかかわらず2026年6月30日でサービス終了済みです。切替は自動ではなく、本カードは番号も新しく設定される別のカードになります。さらに、従来カードで貯めたTOBU POINTの引き継ぎは2026年8月31日までのTOBU POINT会員登録が必要と公式が案内しています。旧カード利用者は先にここを片付けてください。
最大の魅力:モバイルのPASMO定期券5.0%(評判の核心はここ)
このカードで最も検索されているのが定期券還元です。まず還元率を正確に並べます。すべて東武カード(STANDARD)の数字で、公式のポイントシミュレーションとカード紹介ページの表記によります。
| 利用先 | 還元率 |
|---|---|
| 東武鉄道のモバイルのPASMO定期券購入 | 5.0% |
| 東武百貨店 | 最大5.0% |
| 東京ソラマチ | 最大2.5% |
| 駅ビル(エキア・ヴァリエなど) | 最大2.0% |
| モバイルのPASMOへのオートチャージ | 1.5% |
| 東武ストア | 最大1.5% |
| 東武線特急券(トブチケ!) | 最大15.0% |
| 東武グループ以外の一般加盟店 | 0.5% |
5.0%が付く条件は3つとも満たす必要がある
公式の注記は短いですが、条件ははっきりしています。
- PASMOアプリに東武カードを登録していること
- 東武鉄道が発駅のモバイル定期券であること
- モバイルのPASMOで購入すること(カードタイプのPASMO定期券に5.0%の記載はありません)
見落としやすいのは2番目です。東武線を通る区間でも、発駅が東武鉄道の駅でなければ対象外。東武線から他社線に乗り継ぐ通勤で、定期券の発駅が他社の駅になっている場合は条件から外れます。申し込む前に確認しておいてください。
年1,320円の元が取れる定期代のライン
年会費1,320円 ÷ 5.0% = 年間26,400円。定期代がこれを超えれば、定期券還元だけで年会費を回収できます。月あたりに直すと2,200円です。
| 定期代(月あたり換算) | 年間の定期代 | 5.0%還元 | 年会費1,320円を引いた収支 |
|---|---|---|---|
| 2,200円 | 26,400円 | 1,320pt | ±0(損益分岐点) |
| 5,000円 | 60,000円 | 3,000pt | +1,680pt |
| 8,000円 | 96,000円 | 4,800pt | +3,480pt |
| 12,000円 | 144,000円 | 7,200pt | +5,880pt |
| 20,000円 | 240,000円 | 12,000pt | +10,680pt |
(公式の還元率5.0%をもとにCardLensが試算。定期券は1・3・6ヵ月単位で買うため、月あたりに換算)
東武線通勤なら月2,200円はかなり低いラインで、定期券を東武カードで買うだけで年会費は回収できるという理解でおおむね合っています。逆に定期券を買わないと一気に難しくなり、基本0.5%だけで1,320円を取り返すには年間264,000円の一般利用が必要です。公式も同趣旨のシミュレーションを載せていて、定期券30,000円+東武百貨店10,000円+東武ストア10,000円+東京ソラマチ10,000円(いずれも3ヵ月)で3ヵ月合計2,400pt相当という組み立てです。
オートチャージ1.5%は「条件付き」──ここを正確に
2番目に多い誤解がここです。公式の表記は1.5%ですが、内訳は基本0.5%+モバイルのPASMOオートチャージ上乗せ1.0%(後日付与)で、上乗せ分には手続きが要ります。
| 使い方 | 還元率 | 必要な手続き |
|---|---|---|
| モバイルのPASMOにオートチャージ | 1.5% | TOBU POINTアプリに東武カードとモバイルのPASMO番号を登録 |
| カードタイプ(板型)のPASMOにオートチャージ | 0.5% | ─ |
| PASMOへの手動チャージ | 0% | 電子マネーチャージはポイント付与対象外 |
3行目が効いてきます。公式のよくある質問では、Edy・モバイルSuica・SMART ICOCA・モバイルPASMOへのチャージがポイント付与対象外と明記され、そのうえで「PASMOオートチャージサービスはポイント付与対象です」と例外扱いされています。つまり手でチャージしてもポイントは付かず、オートチャージ設定をして初めて意味が出る仕組みです(ポイント二重取りの考え方)。
設定にも時間がかかり、申し込みから利用開始まで約3週間。対象は記名PASMOまたはモバイルのPASMOで、無記名・小児用・介護者用は対象外、名義はカード名義人と同一である必要があります。チャージ額は1,000〜10,000円を1,000円単位で設定でき、限度は10,000円/日・50,000円/月。バス利用時と買い物(電子マネー)利用時はオートチャージされません。
年会費1,320円は、実際いくら・いつかかるか
公式に無料条件の記載はなく、初年度無料や条件付き無料の案内も現在のカード紹介ページにはありません。実際にかかる費用を分解すると次のとおりです。
| 項目 | 費用 |
|---|---|
| 本会員 年会費 | 1,320円(税込) |
| 家族カード | 1枚330円(税込)・最大8枚(無料枠なし) |
| ETCスルーカード | 無料(東武カード1枚につき1枚まで) |
家族カードに無料枠がない点はゴールド・VIPと比べて見劣りします(ゴールドは770円/枚、VIPは3,300円/枚で、どちらも最初の1人は無料)。夫婦で2枚持てば年1,650円です。請求は入会初年度がカード有効期限月の翌月10日、次年度以降は有効期限月の3ヵ月後の10日(土日祝は翌営業日)。入会直後に引き落とされるわけではありません。なお年会費や各種手数料の支払いは、ポイント付与の対象外です。
分割・リボの手数料率は2026年10月1日から上がる
東武マーケティングは2026年4月1日付のお知らせで、ショッピングのスキップ払い・分割払い・リボ払いの手数料率を実質年率15.00%から18.00%へ引き上げると告知しました。改定日は2026年10月1日で、以降の新規利用分から順次適用され、2026年9月30日までの利用分は改定前の料率です。一括払いなら関係ありませんが、分割やリボを使うなら無視できない差です(各社の一斉値上げ)。
TOBU POINTの貯まり方と使い道
TOBU POINTは1pt=1円から使えます。使い先は東武百貨店・東武ストア・東京ソラマチ・駅ビル・TOBU MALL、そして東武線特急券(トブチケ!)。特急券への充当は全額ポイント払いのときだけという条件が付きます。有効期限は最後に獲得または利用した日から2年間で、残高が動くたびに自動延長。ただし他社ポイントへの交換はできません。東武沿線で使い切れるかどうかが、そのまま価値になります。
貯まり方は2系統です。買い物で貯まるTOBU POINTと、東武線の乗車で貯まるトブポマイル。トブポマイルは1マイル=1円でモバイルのPASMOへチャージでき(カードタイプは対象外)、TOBU POINTへの交換は通常110%、会員ランクが上がると最大150%まで上乗せされます。東武グループ施設では提示と支払いでダブルに貯まる設計で、アプリまたはカードを提示して東武カードで払えば両方が付きます(提示分は翌日、クレジット利用分は2〜3日後)。ただし公式のよくある質問によるとQUICPayで支払うと提示分のTOBU POINTが付きません。
TOBU POINT側には「通勤定期券継続ポイント」という別プログラムもあり、東武線発着のPASMO通勤定期券をアプリに登録して継続利用すると6ヵ月ごとにポイントが付きます(モバイルのPASMO定期券なら+50pt、会員ランクSILVER以上が対象)。前の定期券の期限から次の使用開始日まで2日以内に買い継ぐことが条件で、3日以上空くとカウントがゼロに戻ります。
付帯保険・付帯サービス
付くのはJCBスマートフォン保険だけで、旅行傷害保険は付きません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補償内容 | 破損(ディスプレイ破損などの修理費用) |
| 保険金額/保険期間中総支払限度額 | 30,000円 |
| 自己負担額 | 1事故につき10,000円 |
| 補償開始日/保険期間 | 毎年4月1日から1年間 |
| 対象 | 東武カード(STANDARD)本会員のみ |
条件は3つすべてを満たす必要があります。本会員が所有するスマートフォンで、事故発生時点で購入後24ヵ月以内、かつ通信料を直近3ヵ月以上連続で本会員が支払っていること(家族カード払いは対象外)。自己負担10,000円・上限30,000円なので、受け取れるのは修理費から1万円を引いた額、最大2万円です。このほかカード盗難保険が付き、紛失登録完了日から60日前にさかのぼって不正利用の損害が補償されます(クレジット利用分のみ)。旅行保険が要るなら無料の海外旅行保険が付くカードを1枚足すのが現実的です。
申し込みと発行
モバイル即時申し込み(モバ即)なら最短5分で審査が完了し、カード到着前でもアプリ経由でApple Pay・Google Payに登録して使えます。受付は9:00〜20:00、スマートフォン版限定で、対象外の金融機関があります。WEB通常申し込みは24時間受付、最短3営業日発行・カード到着まで約1週間。東武百貨店池袋店・船橋店、東武宇都宮百貨店のカードセンターでも申し込めます。公式が発行の混雑を告知しているので、定期券の更新日から逆算して動いてください。
気をつけたいこと
◎ 良いところ
- 東武鉄道のモバイルのPASMO定期券購入で5.0%還元。月2,200円の定期代で年会費1,320円を回収できる
- モバイルのPASMOオートチャージ1.5%、東武百貨店最大5.0%、トブチケ!の特急券最大15.0%
- モバイル即時申し込みなら最短5分で使い始められ、ETCスルーカードは年会費無料
△ 注意したいところ
- 新しい東武カードにPASMO機能はなく、別途PASMOを用意する必要がある
- 年会費1,320円(税込)に無料条件の記載がなく、家族カードも1枚330円で無料枠がない
- 東武グループ以外は0.5%どまりで、旅行傷害保険も付かない
いちばん大きい落とし穴はPASMO一体型ではない点です。公式のよくある質問にも「東武カードはPASMO機能が付いておらず、クレジットカード機能のみになります」と明記されています。しかも定期券5.0%とオートチャージ1.5%はどちらもモバイルのPASMOが前提なので、スマートフォンでPASMOを使う運用に切り替えられるかが、このカードを活かせるかどうかを決めます。もう一点、東武グループ以外の0.5%は高くありません。CardLensが調べた主要100枚の基本還元率の平均は0.74%より下なので、日常の買い物までこのカードに寄せると取りこぼします。
向く人、向かない人
- 向く人:東武線を発駅とする定期券で通勤・通学し、モバイルのPASMOを使える人。東武百貨店・東京ソラマチ・東武ストアを日常的に使う人。トブチケ!で特急券をよく買う人
- 向かない人:定期券の発駅が東武線ではない人、カードタイプのPASMOしか使わない人、東武沿線で買い物をしない人、年会費のかからないカードで1.0%を取りたいだけの人、旅行保険を1枚にまとめたい人
沿線カードは還元率の数字では選べません。決め手は「自分の定期券がどの会社の駅から出ているか」です。東急ならTOKYU CARD、JR東日本ならビューカード スタンダード、京王なら京王パスポートVISAカードと、自分の路線に素直に合わせるのが無駄になりません。
東武カードの3グレードを並べる
| 項目 | 東武カード(STANDARD) | 東武カードゴールド | 東武カードVIP |
|---|---|---|---|
| 年会費(税込) | 1,320円 | 7,920円 | 33,000円 |
| 基本還元率 | 0.5% | 1.0% | 1.5% |
| モバイルのPASMO定期券 | 5.0% | 5.5% | 6.0% |
| 東武百貨店 | 最大5.0% | 最大7.0% | 最大10.0% |
| 家族カード | 330円/枚 | 770円/枚(最初の1人無料) | 3,300円/枚(最初の1人無料) |
| スマートフォン保険 | JCBスマートフォン保険 | プレミアム(自動付帯) | プレミアム(自動付帯) |
| 入手方法 | 申し込み | 申し込み | 完全招待制 |
ゴールドとの差額は6,600円。基本還元率が0.5%上がるので、東武グループ以外の年間利用が132万円を超えるあたりから見合ってきます。東武百貨店をよく使うならその2.0%差でも埋まりますが、そこまで使わないならSTANDARDで十分です。VIPはゴールド利用者からの招待制で、プライオリティ・パスと海外・国内旅行傷害保険が付きます。
他のカードと並べてみる
| カード | 基本還元率 | 年会費 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 東武カード(STANDARD) | 0.5% | 1,320円(税込) | 東武線の定期券5.0%が主役。ポイントは主役ではない |
| TOKYU CARD ClubQ JMB | 1.0% | 初年度無料・翌年1,100円(税込) | 東急沿線版。基本1.0%で地力がある |
| ビューカード スタンダード | 0.5% | 524円(税込) | Suica派の土台。年会費は最安クラス |
| 楽天カード | 1.0% | 無料 | 沿線色なし。費用ゼロで素直に1.0% |
数字だけなら無料で1.0%のカードに分があります。東武カード(STANDARD)を選ぶ理由は定期券5.0%とグループ施設の上乗せに集約されるので、定期券とグループ施設は東武カード、日常の決済は無料の1.0%以上カードという2枚持ちがいちばん無駄が出ません(考え方はポイント還元率とは)。
まとめ:こう考えると迷わない
東武カード(STANDARD)は、還元率で選ぶカードではありません。東武線の定期券をモバイルのPASMOで買う人が、年1,320円で5.0%還元を買うカードです。月2,200円の定期代で年会費は回収でき、東武線通勤者ならたいていこのラインは超えます。
一方で、PASMOは別に用意する必要があり、発駅が東武線でなければ5.0%は付きません。オートチャージ1.5%もアプリ登録が条件で、手動チャージにポイントは付きません。東武グループ以外は0.5%どまり、旅行保険もなしです。定期券の発駅が東武線か、モバイルのPASMOに移行できるか──この2つに答えられれば結論は出ます。2026年の各社の変更は改悪・変更まとめで追っています。
よくあるご質問
年会費はいくらですか?無料になる条件はありますか?
年会費は1,320円(税込)で、公式のカード紹介ページに無料条件の記載はありません。請求は入会初年度がカード有効期限月の翌月10日、次年度以降は有効期限月の3ヵ月後の10日(土日祝は翌営業日)。家族カードは1枚330円(税込)で、無料枠はありません。最新の金額は公式ページでご確認ください。
モバイルのPASMO定期券5.0%は、どんな条件で付きますか?
PASMOアプリに東武カードを登録したうえで、東武鉄道が発駅のモバイル定期券を買った場合が対象です。カードタイプのPASMO定期券に5.0%の記載はありません。東武線を通る区間でも、発駅が他社の駅なら条件から外れます。
PASMOオートチャージは本当に1.5%ですか?
モバイルのPASMOで、TOBU POINTアプリに東武カードとモバイルのPASMO番号を登録した場合に1.5%です。内訳は基本0.5%+「モバイルPASMOオートチャージ上乗せポイント」1.0%(後日付与)で、登録がなければ0.5%どまり。カードタイプ(板型)PASMOへのオートチャージも0.5%です。手動チャージは電子マネーチャージとして対象外で、オートチャージだけが例外的に対象。設定は利用開始まで約3週間かかります。
東武カードにPASMO機能は付いていますか?
付いていません。公式のよくある質問でも「クレジットカード機能のみ」と案内されており、モバイルのPASMOかPASMOカードを別に用意する必要があります。旧「東京スカイツリー東武カードPASMO」のような一体型ではなくなった点が、旧カードからの最大の変更です。
旧東武カードを持っていました。何をすればいいですか?
旧カードは2026年6月30日でサービスを終了しています。切替は自動ではなく、カード番号も新たに設定されます。あわせて従来カードで貯めたTOBU POINTの引き継ぎには2026年8月31日までのTOBU POINT会員登録手続きが必要と公式が案内しています。期限が近いので先に確認してください。
発行はどれくらい早いですか?即日使えますか?
モバイル即時申し込み(モバ即)なら最短5分で審査が完了し、カード到着前でもアプリ経由でApple Pay・Google Payに登録して使えます。受付は9:00〜20:00で、対象外の金融機関があります。WEB通常申し込みは24時間受付、最短3営業日発行・カード到着まで約1週間です。
旅行保険は付いていますか?
旅行傷害保険は付帯しません。付くのはJCBスマートフォン保険(破損・保険金額30,000円・自己負担1事故10,000円)とカード盗難保険です。スマートフォン保険は本会員のみが対象で、購入後24ヵ月以内の端末、かつ通信料を直近3ヵ月以上連続で本会員が支払っていることが条件です。
最新の年会費や特典は東武カード(STANDARD)の詳細ページで、他のカードとの比較はカード一覧からご確認いただけます。