三菱UFJカード ゴールドの基本還元率は0.5%です。この数字だけを見て年会費11,000円を払う理由は、正直ありません。
損得はほぼ一点で決まります。年間のショッピング利用が100万円に届くかどうかです。届けば年間利用ボーナスとして11,000円相当(2,200ポイント)が戻り、1円でも届かなければ0円。この段差を軸に見ていきます。
スペック
三菱UFJカード ゴールド
発行は三菱UFJニコス株式会社。ブランドはVisa・Mastercard・JCB・アメックスの4つ、15日締め翌月10日払い、利用可能枠は50万〜300万円。申込資格は20歳以上で本人または配偶者に安定した収入のある方(学生を除く)です。発行日数は公式ページに記載がなく断定しません。貯まるのはグローバルポイントで、1ヵ月のショッピング利用金額の合計に対して1,000円単位で1ポイント(1ポイント最大5円相当。キャッシュバックへの交換は1ポイント4円)です。
年間利用ボーナス:100万円に届くかで11,000円変わる
このカードの中心にある特典です(確認日2026-08-06)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 条件 | 集計期間中のショッピング利用合計が100万円以上 |
| もらえるもの | 2,200ポイント(1ポイント5円相当として11,000円相当) |
| 対象者 | 2022年7月1日以降に本カードへ入会した方(ランクアップ入会も対象) |
| 集計期間 | 入会日が1〜15日なら入会月の12ヵ月後の15日まで。16日〜末日なら13ヵ月後の15日まで。2年目以降は前年度終了の翌日から12ヵ月後の15日まで |
| 進呈時期 | 年会費請求月の翌々月の請求時 |
| 集計単位 | カード券面ごと。複数枚持っても合算されない(家族・ETCカードは本人会員に集約)。進呈は会員1人あたり年間2,200ポイントが上限 |
| 集計対象外 | カード年会費、キャッシング・カードローン、分割・リボの手数料、クレカ積立 |
見落としやすいのは3つ。集計期間は暦年でも年度でもなく入会日起点の12ヵ月間。クレカ積立は1円もカウントされない。そして複数枚持っても合算されないので、決済を2枚に分散すると、合計では100万円を超えていても券面ごとの集計では条件を満たせないことがあります。仮に2枚とも達成しても、進呈は会員1人あたり年間2,200ポイントが上限です(公式案内)。
年会費11,000円の損益分岐を計算する
もう1つ必要なのがグローバルPLUS。月間の利用額に応じて当月の基本ポイントを上乗せするサービスで、ゴールド会員は月10万円以上で50%分、3万円以上10万円未満で20%分が加算されます(一般会員は20%分/10%分)。集計は原則毎月16日〜翌月15日。月10万円以上なら実効還元率は0.5%×1.5=0.75%です。これで2年目以降(年会費11,000円がかかる年)の手取りが出せます。
| 年間利用額 | 月平均 | PLUS | 基本+PLUS | 相当額 | 年間利用ボーナス | 手取り |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 60万円 | 5万円 | +20% | 約720P | 約3,600円 | なし | −7,400円 |
| 90万円 | 7.5万円 | +20% | 約1,080P | 約5,400円 | なし | −5,600円 |
| 100万円 | 約8.3万円 | +20% | 約1,200P | 約6,000円 | 11,000円 | +6,000円 |
| 120万円 | 10万円 | +50% | 約1,800P | 約9,000円 | 11,000円 | +9,000円 |
| 150万円 | 12.5万円 | +50% | 約2,250P | 約11,250円 | 11,000円 | +11,250円 |
1ポイント5円相当で換算。月間合計の1,000円未満は切り捨てなので実際は多少下振れします。90万円と100万円のあいだで手取りが約1万1,600円ジャンプします。ボーナスなしでポイントだけで年会費を回収するには、月10万円以上のペースでも約147万円の決済が要ります。初年度は年会費無料なので、この計算が効くのは2年目からです(ゴールドカードの損益分岐点)。
「最大20%ポイント還元」の内訳を全部開ける
「最大20%」は単一の特典ではなく4つのブロックの積み上げです。前提として、支払口座を三菱UFJ銀行に設定しMDCアプリからエントリーする必要があります(本人会員のみ)。
| ブロック | 還元率 | 達成条件 |
|---|---|---|
| 対象店舗の基本部分 | 7.0% | 基本ポイント0.5%+スペシャルポイント6.5% |
| カードのサービス | +3.5% | アプリに月1回ログイン+0.5%/月5万円以上利用+0.5%/Apple Pay(QUICPay)またはWalletチャージ+0.5%/楽Pay登録、または合計1万円以上のリボ払い・分割払い(3回払い以上)・カードローン利用で+2.0% |
| MUFGグループのサービス | +4.5% | 三菱UFJダイレクトに月1回ログイン+1.0%/給与・年金の受取+1.0%/つみたて投資1万円以上+1.0%/住宅ローン契約+1.0%/COIN+登録+0.5% |
| 特定サービスのカード払い | +5.0% | 携帯電話料金・電気料金・Apple・Hulu・日経電子版・Uber Oneなど1つにつき+1.0%(最大5つ) |
| 合計 | 20.0% |
20%には楽Pay(登録型リボ)などの+2.0%が含まれます。リボ・分割・カードローンを使わない方針なら取れず、上限は実質18%。リボ払い・分割払いには所定の手数料がかかるため、+2.0%を取りにいくと手数料が上乗せ分を上回ることがあります(リボ払いとは)。+4.5%はほぼ「三菱UFJ銀行をメインバンクにしているか」で決まります。そして支払口座を三菱UFJ銀行以外に変更すると還元率は7%に戻ります。実際の刻みは、口座設定とエントリーだけで7.0%、そこにアプリログイン・月5万円以上の利用・Apple Payを足して8.5%、ダイレクトのログインと給与受取で10.5%です。
見落とすと痛い「月5万円」の上限
スペシャルポイントの対象になる利用金額は、集計期間ごとに5万円が上限です(毎月16日〜翌月15日。初回のみエントリー月1日〜翌月15日)。超えた分は基本の0.5%に戻ります。月5万円を使い切っても、7.0%なら約3,500円相当、20.0%でも約10,000円相当が天井です。スペシャルポイントの付与は利用分の請求確定時の翌々月です。
対象店舗はコカ・コーラの自販機、スシロー、松屋、オーケーなど日常使いの店が中心。ただしネットスーパーやオンライン事前決済、複合商業施設内の一部店舗が対象外になるなど、除外条件が店ごとに設定されています。支払い方法にも条件があり、対象はカード決済・カードのタッチ決済・Apple Pay(QUICPay)で、グローバルポイント Walletでのスマホ決済とスマホでのタッチ決済は対象外です。店名だけで判断せず除外条件まで見てください(公式ページ・確認日2026-08-06)。
誤解しやすいところを訂正しておく
「実質無料」は、受け取り方によっては成立しない
年間利用ボーナスは2,200ポイント。金額に直すと受け取り方で変わります。
| 受け取り方 | 1ポイントの価値 | 2,200ポイント | 年会費11,000円との差 |
|---|---|---|---|
| 商品交換など(1ポイントを5円相当で使えた場合) | 最大5円相当 | 11,000円相当 | ちょうど相殺 |
| キャッシュバックへの交換 | 4円 | 8,800円 | 2,200円の持ち出し |
「年100万円で年会費が実質無料」はポイントを5円相当で使い切る前提の話です。公式も交換レートは商品ごとに異なると明記しています。
クレカ積立は年100万円にもグローバルPLUSにも効かない
クレカ積立の還元率は2026年6月利用分(2026年7月指定日分)より最大2.0%に変更されています。対象は三菱UFJ eスマート証券のみで、ウェルスナビ for 三菱UFJ銀行は1.0%。そして積立分は年間利用ボーナスにもグローバルPLUSにも集計されません。積立で100万円は達成できません(クレカ積立の還元率比較)。
なお付与単位の「1,000円ごと」は買い物ごとではなく1ヵ月の合計への計算です。980円の買い物を何度しても月末に合算され、切り捨ては月1回だけ。刻みの粗さは月間合算が打ち消しています。
付帯保険は「自動付帯分+利用付帯分」の合算表記
最高5,000万円は、そのまま自動で付く金額ではありません。
| 保険 | 補償額 | 内訳 |
|---|---|---|
| 海外旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 自動付帯分:最高1,000万円+利用付帯分:最高4,000万円(旅行代金等の事前カード払いが条件) |
| 国内旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 同上(ホテル・航空券などを事前にカード払いした場合) |
| ショッピング保険 | 年間限度額300万円 | 購入日から90日間、破損・盗難などを補償(一部対象外) |
持っているだけで付くのは1,000万円分で、残る4,000万円は旅行代金をこのカードで払って初めて有効になります。治療費用を重視するなら年会費無料で海外旅行保険が付くカードとの併用も手です。
家族カードは無料、ETCは2026年10月から有料に
| 項目 | 費用(税込) |
|---|---|
| 本会員年会費 | 11,000円。WEB入会で初年度無料(入会後のブランド切替は対象外)。登録型リボ「楽Pay」による年会費優遇あり |
| 家族会員年会費 | 無料 |
| ETCカード | 現在無料。2026年10月16日発行分より新規発行手数料1,650円(改定の詳細) |
| UnionPay(銀聯) | 新規発行手数料1,100円 |
| 利用明細書の郵送 | 所定の発行手数料(入会後6ヵ月は無料)。2026年11月10日請求分より無料条件を変更 |
年会費優遇のうち「楽Pay」は登録型リボです。リボ払いには所定の手数料がかかるので、年会費を浮かせる目的だけで使うと手数料が優遇分を上回ることがあります。
家族カードの年会費が無料なのは実務的な強みです(枚数の上限は公式ページに記載がありません。家族会員の対象は本人会員の配偶者・親・子で、高校生を除く18歳以上)。家族カードやETCカードの利用は本人会員の年間利用額に集約されるので、世帯で決済を集約すれば100万円のハードルは下がります(世帯で月8.4万円が目安)。詳細は家族カードとはへ。
そのほか国内主要空港とホノルル(ダニエル・K・イノウエ国際空港)のラウンジが無料(同伴者は有料)、所定コースを大人2名以上で利用すると1名分無料のゴールドグルメセレクションが付きます。
◎ 良いところ
- 年間100万円以上の利用で11,000円相当(2,200ポイント)が戻る
- 家族カードの年会費が無料。家族・ETCカードの利用額は本人会員に集約される
- グローバルPLUSで月10万円以上なら基本ポイントが1.5倍(実効0.75%)
- 対象店舗の還元が条件次第で最大20%。口座設定とエントリーだけでも7%
△ 注意したいところ
- 基本還元率0.5%・付与は1,000円ごと。年100万円に届かないと年会費は回収できない
- 年間利用ボーナスの集計期間は入会日起点の12ヵ月間。締め日の管理が必要
- クレカ積立は年間利用ボーナスにもグローバルPLUSにも集計されない
- 「最大20%」には楽Pay(リボ)登録の+2.0%とMUFGグループ側の+4.5%を含む
向く人、向かない人:線は「年100万円」と「三菱UFJ銀行」
向いています- 年間の利用が100万円を超える人。100万円ちょうどで手取り約6,000円、120万円で約9,000円
- 家族の決済をまとめられる人。世帯で月8.4万円を集約できれば届きます
- 三菱UFJ銀行がメインバンクの人。給与受取とダイレクトログインを足すだけで対象店舗の還元率が7%から9.0%に。カード側の3条件(アプリログイン・月5万円以上の利用・Apple Pay/Walletチャージ、計+1.5%)も満たせば10.5%
- 年間利用が90万円以下で止まる人。上の試算では年60万円で約7,400円、年90万円で約5,600円の持ち出しです(利用が少ないほど差は開きます)
- 基本還元率で選びたい人。0.5%(月10万円以上でも0.75%)では無料で1.0%超のカードに勝てません
- クレカ積立が主目的の人。積立額は100万円条件にカウントされません
- 支払口座を三菱UFJ銀行にできない人。ポイント還元の上限が7%に固定されます
他のカードと並べてみる
三菱UFJニコス発行分は公式ページ(確認日2026-08-06)から。他社の数値は各社の公表値で、本記事の確認対象外です。
| カード | 基本還元率 | 年会費(税込) | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 三菱UFJカード ゴールド | 0.5% | 11,000円(WEB入会で初年度無料) | 年100万円で11,000円相当が戻る。届かないと持ち出し |
| 三菱UFJカード | 0.5% | 永年無料 | 年間利用ボーナスは付かないが、最大20%は同じ対象 |
| 三井住友カード ゴールド(NL) | 0.5% | 5,500円 | 年100万円で翌年以降の年会費が永年無料になる方式 |
| 楽天カード | 1.0% | 無料 | 年会費なしで素直に1.0% |
| リクルートカード | 1.2% | 無料 | 基本還元率はこの表の5枚では最も高い |
同じ「年100万円」でも中身は違います。三菱UFJカード ゴールドは毎年11,000円相当のポイントが戻る方式、三井住友カード ゴールド(NL)は翌年以降の年会費そのものが永年無料になる方式。前者は毎年100万円を使い続ける必要があり、後者は一度達成すれば以降の年会費が発生しません。長期で効く違いです(年100万円修行できるゴールドカード比較)。
まとめ
三菱UFJカード ゴールドは、年間100万円という一本の線で損得が分かれるカードです。越えれば年間利用ボーナス11,000円相当が年会費を相殺し、基本ポイントとグローバルPLUSの分(年100万円で約6,000円相当)が手取りになります。越えなければ持ち出しで、年90万円なら約5,600円、年60万円なら約7,400円のマイナスです。
判断は去年1年でカード決済にいくら使ったかを明細で確認するのが最短です。家族の決済を足して100万円を超えるなら検討に値します。超えないなら、初年度無料のあいだに実測して2年目までに結論を出すのが合理的です。
よくある質問
年会費はいくらですか?家族カードは?
本会員は11,000円(税込)、WEB入会なら初年度無料(入会後のブランド切替は対象外)。家族会員は無料で、枚数の上限は公式ページに記載がありません。最新の条件は公式ページでご確認ください(確認日2026-08-06)。
年間100万円は、いつからいつまでの利用が対象ですか?
暦年でも年度でもなく入会日を起点にした12ヵ月間です。入会日が1〜15日なら入会月の12ヵ月後の15日まで、16日〜末日なら13ヵ月後の15日まで。入会日はカード発送時の台紙で確認できます。
ポイントはどのくらいの価値で使えますか?
1ポイント最大5円相当ですが、キャッシュバックへの交換は1ポイント4円。年間利用ボーナスの2,200ポイントもキャッシュバックだと8,800円で、年会費11,000円には届きません。交換レートは商品によって異なるため、何に交換するかで実際の価値は変わります(確認日2026-08-06)。
「最大20%ポイント還元」を受けるには何が必要ですか?
まず支払口座を三菱UFJ銀行に設定し、MDCアプリからエントリーします(本人会員のみ)。そのうえで対象店舗の7%を土台に、カード側の条件で最大+3.5%、ダイレクトのログインや給与受取などMUFGグループ側で最大+4.5%、対象サブスクや公共料金のカード払いで最大+5.0%が積み上がります。スペシャルポイントの対象は集計期間ごとに5万円が上限です。
旅行保険は自動付帯ですか?ETCカードに費用は?
保険は一部だけ自動付帯です。海外・国内とも「最高5,000万円」ですが、内訳は自動付帯分が最高1,000万円、利用付帯分が最高4,000万円。利用付帯分は旅行代金等を事前にこのカードで支払うことが条件です。ETCカードは2026年10月16日発行分より新規発行手数料1,650円(税込)がかかります。
最新の年会費や特典はカード詳細ページ、比較はカード一覧から。改悪・変更はカード改悪・変更ウォッチで追っています。