外貨で決済する人に関わる値上げです。JAL アメリカン・エキスプレス・カードの海外取引事務処理手数料が引き上げられます。国際ブランドが定める為替レートに上乗せされる費用で、率そのものが変わります。
会員向けの告知には、こう書かれています。
JALカードの手数料について、アメリカン・エキスプレス®は改定により3.43%(税込)となります。
(三菱UFJニコス「外貨でのショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務処理手数料改定のお知らせ」より)
JALカード側の告知はもっと短く、「対象カード」欄に「JAL アメリカン・エキスプレス®・カード」、「改定時期」欄に「2027年1月ご請求分より適用」、そして改定内容として改定前2.00%・改定後3.43%が並んでいるだけです。
何が変わるか
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 海外取引事務処理手数料 | 2.00%→3.43%(税込) |
| 対象カード | JAL アメリカン・エキスプレス®・カード(JALカード告知の「対象カード」欄の記載はこの一行のみ) |
| 改定時期 | 2027年1月ご請求分より適用 |
| 告知元 | 株式会社ジャルカード(2026年6月12日付)。上流は三菱UFJニコス(2026年5月15日付/2026年7月1日更新) |
税込・税抜の表記について、出典を分けて書いておきます。JALカードの告知ページには税込・税抜の記載がなく、2.00%・3.43%という数字だけが並んでいます。「3.43%(税込)」と明記しているのは三菱UFJニコス側の注記です。改定前の2.00%については、三菱UFJニコスの国際ブランド別の表で税抜・税込とも同じ値とされています。したがって2.00%→3.43%という比較は、どちらも税込で見た場合の比較として読めます。
なお告知の名称も両社で異なります。JALカード側は「海外取引事務処理手数料」、三菱UFJニコス側は「外貨でのショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務処理手数料」です。検索で見つからないときは、もう一方の呼び方でも探してみてください。
三菱UFJニコスの本則はアメックスで税込4.30%。JALカードのアメックスはそれより低い3.43%(税込)
今回の改定はJALカード単独のものではありません。三菱UFJニコスが外貨ショッピングの事務処理手数料を全体で4.09%(税抜)に引き上げる改定の一部です。三菱UFJニコスの国際ブランド別の表では、アメリカン・エキスプレスは改定前2.00%→改定後4.09%(税込4.30%)とされています。
ただしJALカードのアメックスは、この表の数字ではありません。表の下の注記で3.43%(税込)と別に定められています。国際ブランド別の表は4行で、Visa・Mastercardがそれぞれ3.50%→4.09%、JCBが2.00%→4.09%、アメックスが2.00%→4.09%です(表の率は税抜表記で、カッコ内に税込が併記されています。改定後は税抜こそ4.09%で共通ですが、税込はブランドごとに異なり、Visa・Mastercardが4.50%、JCBが4.34%、アメックスが4.30%です)。表だけを読むとJALカードも4.30%になると誤読します。JALカードのアメックスに適用されるのは3.43%(税込)です(この表に結合セルは使われていないことを生HTMLで確認しています。確認日2026-09-16)。
三菱UFJニコス全体の改定内容は三菱UFJニコス、海外事務手数料を引き上げに別途まとめています。
JALカードのVisa・Mastercardについて、告知が書いていること
同じ注記に、JALカードのVisa・Mastercard®については「従来通り3.63%(税込)を加算したレート」で円貨に換算する旨が明記されています。
つまり今回引き上げられるのはアメリカン・エキスプレスのブランドで、JALカードのVisa・Mastercardについては告知が従来通りと書いている、という関係です。これはJALカードのVisa・Mastercardに限った記載であり、他社が発行するカードや、今回の告知が扱っていない他の手数料にまで及ぶ話ではありません。なおこの注記が載っているお知らせ自体、対象を「三菱UFJニコスおよび弊社フランチャイジー各社が発行するクレジットカード」としています。JALカードは発行会社が一社ではないため、手元のカードの発行会社もあわせて確認してください。
施行日の基準は「ご利用日」ではなく「ご請求分」
ここが今回いちばん間違えやすい部分です。
JALカードの告知の「改定時期」欄は「2027年1月ご請求分より適用」。ご利用日基準でも支払期日基準でもなく、ご請求分が基準だと公式が書いています。
したがって「2027年1月に使った分から上がる」と読むことはできません。2027年1月のご請求に含まれる利用がいつ行われたものかは締め日の設定で決まりますが、「何月のご利用分が2027年1月ご請求分に当たるか」は、JALカード・三菱UFJニコスのどちらの告知にも書かれていません。CardLensでは締め日から逆算した日付を推測で書きません。実際の対応関係は、カード裏面に記載のデスクで確認してください。
さらに紛らわしいのが、上流の三菱UFJニコス告知が別の基準・別の日付を示している点です。
| 告知 | 対象 | 基準 | 日付 |
|---|---|---|---|
| JALカード | JAL アメリカン・エキスプレス®・カード | ご請求分 | 2027年1月ご請求分より |
| 三菱UFJニコス | 三菱UFJカード会員 | ご利用分 | 2026年11月16日(月)ご利用分より |
| 三菱UFJニコス | NICOSカード会員 | ご利用分 | 2026年11月6日(金)ご利用分より |
11月16日・11月6日という日付を、JALカードの施行日として読まないでください。これは三菱UFJカード会員・NICOSカード会員向けの日付で、基準も「ご利用分」と異なります。JALカード会員について「ご利用分」基準の開始日がいつになるかは、三菱UFJニコス告知には記載がありません。JALカードの会員が見るべきは、JALカード告知の「2027年1月ご請求分」です。
なお三菱UFJニコスの告知には、適用開始日が実際のカードご利用日と異なる場合があり、開始日前の利用分でも加盟店からの売上データ受信日などによって新しい手数料が適用される場合がある、という注意書きがあります。ただしこの注記は、三菱UFJカード会員・NICOSカード会員の開始日に付されたものです。
対象外・例外として告知に書かれていること
- 三菱UFJニコスの注記に「一部のカードは対象外」という一文がありますが、どのカードが対象外かの具体名は書かれていません。手元のカードが対象かどうかをこちらから断定することはできないので、カード裏面に記載のデスクで確認してください。
- JALカードのVisa・Mastercard®は、三菱UFJニコスの注記に「従来通り3.63%(税込)を加算したレート」と明記されており、今回の引き上げの対象ではありません。これは推測ではなく告知に書かれている内容です。
- 海外キャッシング(海外ATMでのキャッシングサービス)が今回の改定の対象になるかどうかは、JALカード・三菱UFJニコスのどちらの告知にも記載がありません。対象とも対象外とも言えないので、利用予定がある人はデスクで確認してください。
- 既存会員と新規会員を区別する記述は、どちらの告知にもありません。既存の残高への扱いについても告知では触れられていません。この手数料は外貨ショッピング1件ごとの円貨換算時に上乗せされる費用ですが、「遡及しない」と公式が明言しているわけではありません。
- 対象となるのは「外貨でのショッピングご利用」です。三菱UFJニコスの告知は、この手数料が国際ブランドの定める為替レートに加算される費用で、円貨換算後の請求額に含まれること、会員規約にも記載がある旨を説明しています。
日本語のサイトでも、決済通貨が外貨なら対象になります
三菱UFJニコスの告知は、日本語表記のインターネットサイトや通信販売であっても外貨によるショッピングとなる場合があると注意喚起しています。
海外旅行の予定がなくても関係するということです。海外のホテル予約サイト、海外事業者のサブスクリプション、海外通販などは、画面が日本語でも決済通貨が外貨であれば対象になり得ます。なお手数料は円貨換算後のご請求に含まれる費用ですが、三菱UFJニコスの告知は「事務処理手数料については、ご利用明細書に掲載いたします」としており、明細での表記内容を会員区分ごとのページで案内しています。
今できること
- 手元のカードのブランドを確認する。今回の告知はJAL アメリカン・エキスプレス®・カードについてのものです。JALカードのVisa・Mastercardについては、告知が「従来通り3.63%(税込)」と書いています。
- 「一部のカードは対象外」に該当するかをデスクで確認する。対象外カードの具体名が告知にないため、外部から特定はできません。
- 外貨建ての定期支払いを洗い出す。毎月自動で外貨決済されているものは、率の差がそのまま毎月の増分になります。年間10万円ぶんの外貨決済なら、2.00%で2,000円、3.43%で3,430円。差は年1,430円です。金額が大きい人ほど効きます。
- 外貨決済に使うカードを分けることを検討する。還元率より手数料率のほうが金額のインパクトは大きくなりがちです。カード別の料率比較は海外事務手数料の引き上げ(2026年)に一覧でまとめています。
海外事務手数料の値上げは2026年の大きな流れです
外貨決済の事務処理手数料を引き上げる動きは、2026年に各社で重なっています。東急カードはMastercardブランドで3.85%→4.50%(税込)に改定しています(詳細)。三菱UFJニコスの改定はこちらにまとめています。
手数料の値上げ・新設は、CardLensが公式の一次情報で確認・記録した2026年の改悪のうち大きな塊を占めています。全体像は【独自集計】2026年のクレジットカード改悪を数えて分かったことに、施行日順の一覧はカード改悪・変更ウォッチにあります。
JALカードそのものの評価はJALカード 普通カードのレビューとJAL CLUB-Aカードのレビューで整理しています。この2本と記事末の関連カードは、JAL アメリカン・エキスプレス®・カード専用の記事ではありません。同じ「普通カード」「CLUB-Aカード」でも提携ブランドによって年会費などの条件が異なり、今回の改定の対象はアメリカン・エキスプレスのブランドです。
出典と確認日
- JALカード公式「海外取引事務処理手数料の改定について(JAL アメリカン・エキスプレス®・カード)」(株式会社ジャルカード、2026年6月12日付) https://www.jal.co.jp/jp/ja/jalcard/announce/amex2606/ 確認日2026-09-16
- 三菱UFJニコス公式「外貨でのショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務処理手数料改定のお知らせ」(三菱UFJニコス株式会社、2026年5月15日付/2026年7月1日更新) https://www.cr.mufg.jp/member/new/20260515_02.html 確認日2026-09-16
- JALカード公式「ご注意・ご案内一覧」 https://www.jal.co.jp/jp/ja/jalcard/announce/ 確認日2026-09-16
確認日時点で、この改定の撤回・延期・内容変更を示す後続の告知は「ご注意・ご案内一覧」に掲載されていません。該当の告知は一覧に1件のみ掲載されています。本文中の料率・日付・対象範囲は、markdown変換を経由せず公式ページの生HTMLを直接確認したうえで記載しています。
※手数料・条件の正確な内容は変更される場合があります。最新は必ずJALカード公式のご注意・ご案内一覧と三菱UFJニコス公式のお知らせでご確認ください。