毎月必ず出ていく電気・ガス・水道、そして年に一度の自動車税。この「固定費のカード払い」は、2024〜2026年に各社の還元率引き下げが集中した領域です。dカードは2026年2月に半減、PayPayカードは2026年6月に半減、セゾンは3段階で引き下げ——一方で、まったく下げていないカードもあります。CardLensが主要12枚の現在の条件を各社の公式ページ・告知だけで検証した結果を、出典・確認日つきで整理します(確認日はすべて2026-07-21)。
結論の一覧表:12枚の公共料金・税金の還元率
| カード | 公共料金(電気・ガス・水道) | 税金・公金 | 直近の変更 |
|---|---|---|---|
| リクルートカード | 1.2%(維持) | 1.2%(JCBは公式明記)※ | 引き下げ告知なし |
| au PAY カード | 1%(維持) | 1%とみられる※ | 引き下げ告知なし |
| JCBカードW | 1.0%相当(維持) | 1.0%相当 | 引き下げ告知なし |
| ENEOSカード S | 0.6%(維持) | 0.6%→2027年1月から対象外(0%) | 2027/1改定 |
| dカード | 0.5%に半減(対象事業者) | 0.5%(eLTAX等) | 2026/2/1〜 |
| PayPayカード | 基本0.5%に半減(条件達成で最大1%) | 同左 | 2026/6/2〜 |
| 三井住友カード(NL) | 0.5% | 0.5%(国民年金は対象外) | 引き下げ告知なし |
| エポスカード | 0.5%(ゴールド以上は登録で1.0%) | 0.5% | 2025/4にポイントアップ縮小 |
| イオンカードセレクト | 0.5%+口座振替特典 | 0.5%とみられる※ | 引き下げ告知なし |
| 三菱UFJカード | 0.5%相当 | 0.5%相当とみられる※ | 引き下げ告知なし |
| 楽天カード | 0.2%(対象事業者)※リスト外は1% | 0.2% | 2021年〜(2025年に対象拡大) |
| セゾンカードインターナショナル | 実質約0.25% | 実質約0.25% | 2024〜2026年に3段階引き下げ |
※印は「公式の対象外リストに税金の記載がなく通常還元が適用されると読める」もので、率を数値で明記した公式ページまでは確認できなかった項目です(推測で断定しません)。各カードの正確な条件は必ず公式でご確認ください。
読み取れること:維持組と引き下げ組がはっきり割れた
検証した12枚の中で、公共料金の還元率が最も高かったのはリクルートカードの1.2%です。公式サイトが「光熱費や携帯電話料金も1.2%」と明記しており、公共料金への上限・引き下げの告知もありません(2026-07-21確認)。au PAYカードの1%・JCBカードWの1.0%相当も、対象外リストに公共料金・税金の記載がなく、通常還元がそのまま効きます。
一方、引き下げ組は流れが速い:
- dカード:2026年2月1日利用分から、対象一覧掲載の電気(約30社)・ガス(150社超)・水道(約25事業者)とeLTAX納税が1.0%→0.5%に半減。ドコモでんき等は対象外(=1%のまま)。速報
- PayPayカード:2026年6月2日利用分から、公共料金・税金の基本付与率が1.0%→0.5%(条件達成込みで最大1.5%→1.0%)。速報
- セゾン:2024年1月に税金、2024年7月に公共料金を半減(2,000円ごとに1pt=実質約0.25%)、2026年6月に対象事業者を拡大、と3段階。
- 楽天カード:公共料金・税金は500円につき1P(0.2%)。ただし細部が重要で、0.2%になるのは公式の対象事業者リスト掲載分だけ。リスト外の事業者は今も100円につき1P(1%)です(2025年3月に新電力・LPガス等約70社がリスト追加され、0.2%の範囲は拡大中)。
- ENEOSカード:公共料金の0.6%は維持ですが、2027年1月請求分から税金・公金が付与対象外(0%)になります。速報
- 東急カード:一部の公共料金・税金等のTOKYU POINTが200円2P→1P(実質半減)になります(2026年4月1日利用分〜。東急でんき&ガスは対象外)。速報
見落としやすい3つの落とし穴
1. 国税のカード納付は「手数料負け」しやすい
国税クレジットカードお支払サイトは納付額1万円ごとに決済手数料99円(税込)がかかります。還元率0.5%のカード(1万円=50円分)では手数料(0.99%相当)が上回り、ポイントをもらっても実質マイナスです。1%超のカードでもほぼ相殺。地方税のお支払サイトも1万円あたり数十円のシステム利用料がかかります。税金のカード払いは「ポイントで得」より「支払いの利便性・支払猶予」で判断するのが実態に合います。
2. 国民年金保険料は対象外のカードが多い
三井住友カード(NL)は国民年金保険料がVポイント付与対象外と公式FAQに明記。dカードも国民年金保険料はポイント進呈対象外です。「税金でポイントが貯まる」と聞いても、国民年金は別枠と考えてください。
3. 「対象事業者リスト方式」は自分の契約先の確認が必須
楽天カードとdカードの引き下げは公式リストに掲載された事業者だけが対象で、同じ「電気代」でも契約先によって還元率が違います。しかもリストは「予告なく追加される場合がある」と両社とも明記しています。自分の契約している電力・ガス会社がリストに入っているかは、支払い設定の前に公式で確認するのが安全です。
どう選ぶか(用途別の目安)
- 固定費をまとめて1枚で:検証範囲ではリクルートカード(1.2%・年会費無料)が最も高い水準でした。
- Pontaを貯めている:au PAY カードの1%は公共料金でもそのまま。
- 39歳以下でJCBで良い:JCBカードWの1.0%相当も維持組です。
- すでにdカード・PayPayカードで払っている:2026年の半減後の率(0.5%)を前提に、固定費だけ別カードに移す選択肢を検討する価値があります。年間でいくら差が出るかは還元率シミュレーターで試算できます。
固定費の還元は「一度設定したら忘れる」だけに、改悪に気づかないまま数年払い続けることが起きがちです。この領域の変更はCardLensのカード改悪・変更ウォッチと2026年の改悪まとめで追跡しています。
よくある質問
公共料金の支払いで一番還元率が高いカードはどれですか?
今回検証した12枚の範囲では、リクルートカードの1.2%が最も高い水準でした(公共料金への上限・引き下げ告知なし、確認日2026-07-21)。au PAYカード(1%)、JCBカードW(1.0%相当)が続きます。ただし還元率・条件は変更されることがあるため、申し込み前に必ず公式ページでご確認ください。
税金をクレジットカードで払うとポイント分だけ得ですか?
必ずしも得とは言えません。国税のカード納付は納付額1万円ごとに決済手数料99円(0.99%相当)がかかり、還元率0.5%のカードでは手数料が上回ります。1%超のカードでもほぼ相殺です。ポイント目的よりも、支払いタイミングの調整や手元資金の温存といった利便性で判断するのが実態に合います。
dカードやPayPayカードで公共料金を払い続けるのは損ですか?
2026年の改定で両カードとも公共料金の基本還元は0.5%になりました(dカードは対象事業者のみ、PayPayカードは条件達成で最大1%)。メインカードとして使い続けること自体は問題ありませんが、固定費部分だけ還元率を維持しているカードに寄せると、年間の獲得ポイントに差が出ます。具体額は毎月の固定費額によるので、シミュレーターでの試算をおすすめします。
本記事の数値はすべて各カード会社の公式ページ・公式告知で確認したものです(確認日2026-07-21)。ただし条件は今後変更される場合があります。他のカードとの比較はカード一覧からどうぞ。
この比較表のデータは、出典として本ページ(https://cardlens.jp/articles/koukyou-ryokin-zeikin-card-hikaku/ )へのリンクを添えていただければ、記事・資料・SNSなどで自由にご利用いただけます。数値は変更され得るため、引用時は確認日もあわせて記載していただけると読者に親切です。