Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDの基本還元率は1.0%です。ただし、この数字だけでこのカードを評価すると判断を誤りやすくなります。基本1.0%も、入会後6ヶ月の2.0%も、年会費無料のOrico Card THE POINTとまったく同じ条件だからです。
だから問いは一つに絞れます。「年会費1,986円(税込)を払って、無料版との差を取り返せるか」。この記事はその一点で組み立てます。結論から言えば、差がつくのは実質2つの加算特典だけで、分岐点は対象になる年間利用額がおよそ40万円です。
スペック
Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD
発行は株式会社オリエントコーポレーション。国際ブランドはMastercardとJCBで、どちらもタッチ決済に対応します。申込資格は満18歳以上で安定した収入がある方(キャッシングを希望する場合は満20歳以上)。発行は最短8営業日です。
ここは注意が必要です。公式の「電子マネー・タッチ決済」欄に載っているのはMastercardとJCBのタッチ決済だけで、iD・QUICPayがカード本体に一体搭載されるという記載はありません(確認日2026-08-13)。QUICPayは追加カードの「QUICPayカード型」として発行する形で公式に案内されています。後述する「iD・QUICPay利用で0.5%特別加算」を当てにするなら、自分がどの手段でiD・QUICPay決済をすることになるのかを申込前に確認してください。ここが崩れると、このカードの損得計算の前提そのものが変わります。
貯まるのはオリコポイントで、公式の表記は「100円につき1オリコポイント」。カード利用とオリコモール利用で獲得したポイントの有効期限は、ポイント加算月を含めて12ヶ月後の月末と短めです(キャンペーンで獲得したポイントはキャンペーンごとに異なると注記されています)。交換はeオリコの利用登録(無料)をしたうえで500ポイントから可能。集計単位が1回ごとなのか月間合計なのかは公式ページに記載がないため、100円未満の端数の扱いが気になる人は申込前に確認してください(確認日2026-08-13)。支払いは当月末日締め、翌月27日払い(27日が土日祝の場合は翌営業日)です。
加算特典の中身を分解する
このカードの看板は「3つのポイント加算特典」です。公式に記載されている中身と、年会費無料のOrico Card THE POINTとの差を並べます。
| 加算特典 | PREMIUM GOLD | Orico Card THE POINT(年会費無料) | 差 |
|---|---|---|---|
| オリコモールのご利用 | +1.0%特別加算 | +0.5%特別加算 | +0.5% |
| iD・QUICPayのご利用 | +0.5%特別加算 | なし | +0.5% |
| ショッピングリボ払いのご利用 | +0.5%特別加算 | なし | +0.5%(後述) |
| 基本還元率 | 1.0% | 1.0% | 同じ |
| 入会後6ヶ月の還元率 | 2.0%(利用50万円・5,000ポイントが上限) | 2.0%(同条件) | 同じ |
公式は「Orico Card THE POINTは年会費が無料ですが、ポイント加算特典はオリコモールのご利用で0.5%特別加算のみです」と明記しています。年会費1,986円で買っているのは、この差分だと考えてください。
「2.5%以上」の内訳
オリコモール経由のネットショッピングで案内される「2.5%以上」は、常時その還元率になるという意味ではありません。公式の内訳はこうです。
| 内訳 | 率 | 条件 |
|---|---|---|
| カードご利用分 | 1.0% | 基本還元率 |
| オリコモールご利用分 | +0.5%以上 | 一部対象外のショップあり |
| オリコモール特別加算 | +1.0% | 一部対象外のショップあり。無料版は+0.5% |
| 合計 | 2.5%以上 | 上の2つの加算がどちらも対象になるショップでの話 |
つまり2.5%以上になるのはオリコモールを経由した、かつ両方の加算対象になっているショップでの買い物だけです。街の店舗やモールを通さないネット通販は1.0%(iD・QUICPayなら1.5%)にとどまります。
3つ目の「ショッピングリボ払いで+0.5%」は、公式にも「リボ払いには所定の手数料がかかります」と併記されています。0.5%の加算のためにリボ手数料を負担するのは、通常は計算が合いません。以下の損得計算では、この加算は外して考えます(仕組みはリボ払いとはに)。
年会費1,986円の損益分岐
差がつくのは、実質オリコモール分の+0.5%とiD・QUICPay分の+0.5%です。どちらも0.5%なので、単純に足して計算できます。
計算式は次のとおりです。1オリコポイントは、基本還元率1.0%が「100円につき1ポイント」であることから1円相当として扱います。
無料版との差 = (iD・QUICPay利用額 + オリコモール利用額) × 0.5%これが年会費1,986円を超える水準を出すと、こうなります。
| 加算対象の年間利用額(iD・QUICPay+オリコモール) | 無料版との差 | 年会費1,986円との差引き |
|---|---|---|
| 12万円(月1万円) | 600ポイント | −1,386円 |
| 24万円(月2万円) | 1,200ポイント | −786円 |
| 36万円(月3万円) | 1,800ポイント | −186円 |
| 約39.7万円(月約3.3万円) | 1,986ポイント | ±0(分岐点) |
| 48万円(月4万円) | 2,400ポイント | +414円 |
| 60万円(月5万円) | 3,000ポイント | +1,014円 |
| 120万円(月10万円) | 6,000ポイント | +4,014円 |
年間およそ40万円、月にして3.3万円ぶんをiD・QUICPayかオリコモールに寄せられるかどうか。ここが素直な線引きです。
家族カードを1枚追加すると年会費は550円増えるので、分岐点は年間約50.7万円まで上がります。家族カードの使いどころは家族カードとはも参考にしてください。
具体例で確かめる
- 買い物を月3万円QUICPayに寄せている人:年36万円で1,800ポイント。年会費に186円届きません。ここに旅行保険とClub Offの価値を足して判断することになります。
- そこにオリコモール経由で年10万円のネット通販を足す場合:500ポイントが上乗せされ合計2,300ポイント。年会費を314円上回ります。
- iD・QUICPayをほとんど使わず、ネット通販もアプリから直接という人:加算はほぼ発生せず、年1,986円がそのまま持ち出しになります。
迷ったら、まず手元の明細でiD・QUICPay決済が月いくらあるかを数えてください。年会費の見積もり方はゴールドカードの損益分岐点にも整理しています。
よくある誤解を3つ訂正します
1. 「入会後6ヶ月2.0%」はゴールドの特典ではありません
入会後6ヶ月間の還元率2.0%(期間中の利用50万円・5,000オリコポイントが上限)は、年会費無料のOrico Card THE POINTにも同じ条件で付きます。「ゴールドだから2.0%」ではありません。この特典を目当てにするなら、無料版で足ります。
2. 旅行傷害保険は自動付帯ではなく利用付帯です
ここがいちばん誤解されやすいところです。オリコの海外旅行傷害保険には自動付帯のカードと利用付帯のカードがあり、自動付帯として公式が挙げているのはOrico Card THE PLATINUM、Orico Card THE GOLD PRIME、Orico Card THE WORLD、The Gold、Gold UPtyなどで、このカードは含まれていません。公式の補償一覧では「年会費有料の一般カード」の欄(利用付帯)に分類されています。持っているだけでは補償されません。
3. ゴールドですが空港ラウンジは付きません
公式の付帯サービス欄にあるのは、旅行傷害保険、紛失・盗難保障、福利厚生(Orico Club Off)、Mastercard優待特典、トラベルサポートです。空港ラウンジは含まれていません。同じオリコで空港ラウンジが付くのはOrico Card THE GOLD PRIME(初年度年会費無料・Web申込限定、次年度11,000円・税込)などです。
付帯保険の中身と適用条件
海外旅行傷害保険(利用付帯・最高2,000万円)
| 補償項目 | 保険金額 |
|---|---|
| 死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 |
| 傷害治療費用 | 200万円限度 |
| 疾病治療費用 | 200万円限度 |
| 賠償責任 | 2,000万円限度 |
| 携行品損害 | 20万円限度(免責金額1事故3,000円) |
| 救援者費用等 | 200万円限度 |
適用条件は「旅行代金をこのカードで決済していること」です。公式が言う旅行代金とは、出国前に海外旅行を目的として利用した公共交通乗用具またはパッケージツアーの料金か、出国後に海外旅行を目的として利用した公共交通乗用具の料金を指します。注意点も公式に明記されています。
- タクシー、ハイヤー、レンタカー、社用車は公共交通乗用具に含まれません
- 出国後にパッケージツアーを決済した場合は対象外です
- 出国後にカード決済した場合は支払った時点から適用され、補償期間は出国日から90日です
- 年会費有料のオリコカードを複数枚持っていても、適用されるのは1枚分です
- 家族特約が付くのはOrico Card THE GOLD PRIMEのみで、このカードには付きません
治療費用200万円という水準そのものは実用的です。ただし航空券やツアー代金をこのカードで払う習慣がないなら、この保険は存在しないものとして年会費を評価してください。比較は年会費無料の海外旅行保険付きカードに。
国内旅行傷害保険とショッピングガード
国内旅行傷害保険は死亡・後遺障害の最高1,000万円のみで、治療費用の補償はありません。こちらも旅行代金(公共交通乗用具の乗車代金、宿泊費用など)をカード決済していることが条件です。ショッピングガードはカードで購入した商品の破損・盗難などに備えるもので100万円限度(免責金額1事故10,000円)。公式の条件は購入日(発送等による場合は商品の到着日)から90日以内の偶然な事故による損害です。免責1万円なので、実際に使う場面は数万円以上の買い物に限られます。
年会費以外にかかるお金
| 項目 | 金額(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 年会費(本会員) | 1,986円 | 割引・無料条件の記載なし |
| 家族カード | 550円/枚 | 2025年12月ご請求分より有料化 |
| ETCカード | 無料 | 発行手数料も無料。クレジットカードまたは家族カード1枚につき1枚 |
| キャッシングATM手数料 | 110円(1万円以下)/220円(1万円超) | 1回あたり |
| 紙の利用代金明細書 | 220円→385円 | 2026年10月以降に発行する分から。Web明細は無料 |
家族カードの550円は2025年6月27日にオリコが発表した改定によるものです。それまで無料だった家族カード・メンバーカードの年会費が、2025年12月ご請求分から有料になりました。公式の対象カード一覧にOrico Card THE POINT PREMIUM GOLDの名前があり、区分は550円です。
紙の明細書の値上げはオリコ「明細書の発行手数料を385円に改定」は本物かで検証しました。なおETCカードと家族カードの利用分にもオリコポイントが付き、入会後6ヶ月の2倍期間も対象です(ETCカードの作り方)。
◎ 良いところ
- オリコモール特別加算が1.0%(年会費無料のOrico Card THE POINTは0.5%)
- iD・QUICPay利用で+0.5%特別加算。無料版にはない上乗せ
- 海外旅行傷害保険の傷害・疾病治療費用が各200万円。金額水準は実用的
- ETCカードは年会費無料で、ETC利用分にもポイントが付く
- 年会費1,986円は、空港ラウンジ付きゴールドと比べれば低い水準
△ 注意したいところ
- 旅行傷害保険は自動付帯ではなく利用付帯。旅行代金をこのカードで決済していないと適用されない
- 空港ラウンジは付かない。ゴールドという名称から期待するとズレる
- 基本1.0%も入会後6ヶ月2.0%も年会費無料のOrico Card THE POINTと同条件
- 家族カードが2025年12月ご請求分から550円(税込)に。以前は無料だった
- 年会費の割引・無料条件がなく、使わない年もそのまま1,986円かかる
- 公式の電子マネー・タッチ決済欄はMastercard・JCBのタッチ決済のみ。iD・QUICPayの一体搭載は記載がなく、QUICPayは追加カード扱い
- オリコポイントの有効期限が加算月を含めて12ヶ月後の月末と短め
向く人、向かない人
数字で線を引きます。
向いています- iD・QUICPayとオリコモールの合計が年40万円(月3.3万円)を超える人。家族カードを付けるなら年50.7万円が目安です(iD・QUICPayをどう使うかは前述のとおり事前確認が必要です)
- ネット通販をオリコモール経由に切り替える手間を惜しまない人。特別加算1.0%は無料版の2倍です
- 航空券やパッケージツアーの代金をこのカードで決済する習慣がある人。利用付帯の条件を満たせて初めて保険が生きます
- iD・QUICPayもオリコモールも合計で年30万円に届かない人。年会費無料のOrico Card THE POINTのほうが手取りが増えます
- 空港ラウンジが目的の人。このカードには付きません
- 持っているだけで旅行保険が効くカードを探している人。利用付帯なので条件を満たす必要があります
- リボ払いの0.5%加算を当てにしている人。手数料のほうが大きくなります
他のカードと並べてみる
数値はいずれも各社が公表している基本還元率です。オリコ3枚の年会費とラウンジの有無は公式の比較表で確認しました(確認日2026-08-13)。
| カード | 基本還元率 | 年会費(税込) | ひとこと |
|---|---|---|---|
| Orico Card THE POINT PREMIUM GOLD | 1.0% | 1,986円 | 加算特典の差を年40万円で取り返せるかが判断軸 |
| Orico Card THE POINT | 1.0% | 無料 | 基本1.0%も入会後6ヶ月2.0%も同じ。加算はオリコモール0.5%のみ |
| Orico Card THE GOLD PRIME | 1.0% | 初年度無料(Web申込限定)/次年度11,000円 | 3つの加算特典はPREMIUM GOLDと同内容。差は空港ラウンジと自動付帯保険 |
| 楽天カード | 1.0% | 無料 | 楽天ポイントで素直に1.0% |
| リクルートカード | 1.2% | 無料 | 基本還元率の数字だけなら上 |
最大の比較対象は他社ではなく、同じオリコの年会費無料版です。基本部分が同じである以上、1,986円は加算特典と保険への支払いだと割り切って計算するのが正確です。還元率の考え方は還元率とは、2枚目としての組み方は2枚目の組み合わせも参考になります。
まとめ
Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDは、年会費無料のOrico Card THE POINTに「オリコモール特別加算+0.5%」「iD・QUICPay加算+0.5%」「利用付帯の旅行傷害保険」「Orico Club Off」を足して、年1,986円を上乗せするカードです。基本還元率も入会後6ヶ月の2.0%も、無料版と変わりません。
判断はiD・QUICPayとオリコモールの年間利用額を数えるのが最短です。合計40万円を超えるなら加算だけで年会費を回収でき、そこに保険とClub Offが乗ります。30万円に届かないなら無料版のほうが手元に残ります。旅行保険を評価に入れるなら、航空券やツアー代金をこのカードで払うという前提を満たせるかを先に確認してください。
よくある質問
年会費はいくらですか?無料になる条件はありますか?
本会員の年会費は1,986円(税込)です。公式ページに年会費の割引・無料条件の記載はありません(確認日2026-08-13)。家族カードは1枚あたり550円(税込)、ETCカードは年会費無料です。最新の金額は公式ページでご確認ください。
年会費無料のOrico Card THE POINTとの違いは何ですか?
基本還元率1.0%と、入会後6ヶ月間の還元率2.0%(利用50万円・5,000ポイント上限)はどちらも同じです。違いは、①オリコモール特別加算が1.0%(無料版は0.5%)、②iD・QUICPay利用で+0.5%特別加算(無料版になし)、③ショッピングリボ払いで+0.5%特別加算(同)、④旅行傷害保険・ショッピングガード・Orico Club Offが付く、の4点です。公式も「Orico Card THE POINTのポイント加算特典はオリコモールのご利用で0.5%特別加算のみ」と明記しています。
旅行傷害保険は自動付帯ですか?
いいえ、利用付帯です。海外旅行傷害保険は、出国前または出国後に海外旅行を目的として利用した公共交通乗用具の料金、あるいは出国前に決済したパッケージツアーの料金を、このカードで支払っていることが条件になります。タクシー・ハイヤー・レンタカー・社用車は公共交通乗用具に含まれません。オリコで自動付帯とされているのはOrico Card THE PLATINUM、Orico Card THE GOLD PRIME、Orico Card THE WORLDなどで、このカードは含まれていません。詳細はオリコ公式の海外旅行傷害保険ページをご確認ください(確認日2026-08-13)。
空港ラウンジは使えますか?
使えません。公式の付帯サービス欄は、旅行傷害保険、紛失・盗難保障、福利厚生(Orico Club Off)、Mastercard優待特典、トラベルサポートで、空港ラウンジは含まれていません。オリコで空港ラウンジが付くのはOrico Card THE GOLD PRIME(初年度年会費無料・Web申込限定、次年度11,000円・税込)などです。
「2.5%以上」はいつでも適用されますか?
いいえ。オリコモールを経由したネットショッピングに限った話です。内訳はカードご利用分1.0%+オリコモールご利用分0.5%以上+オリコモール特別加算1.0%で、公式にはご利用分の加算も特別加算も「一部対象外のショップあり」と注記されています。モールを通さない買い物は1.0%、iD・QUICPay利用なら1.5%が基準になります。
ポイントの有効期限と交換先を教えてください
カード利用およびオリコモール利用で獲得したオリコポイントの有効期限は、ポイント加算月を含めて12ヶ月後の月末です(キャンペーンで獲得したポイントはキャンペーンごとに異なります)。交換にはeオリコの利用登録(無料)が必要で、500ポイントから交換できます。交換先はギフト券・他社ポイント・マイルなど複数用意されていますが、ラインナップと交換レートは随時変わります。今回の検証では個別の交換先までは公式で確認できていないため、狙っている交換先がある場合は公式の「オリコポイント交換一覧」で最新の内容をご確認ください(確認日2026-08-13)。
家族カードが有料になったと聞きました。いつからですか?
2025年6月27日にオリコが発表した改定で、それまで無料だった家族カード・メンバーカードの年会費が2025年12月ご請求分から有料になりました。Orico Card THE POINT PREMIUM GOLDは対象カード一覧に含まれ、金額は1枚あたり550円(税込)です。本会員に年会費の請求がない場合、家族カードの年会費も請求されないと案内されています。詳細はオリコ公式のお知らせをご確認ください。
最新の年会費や特典はOrico Card THE POINT PREMIUM GOLDの詳細ページで、他のカードとの比較はカード一覧からご確認いただけます。カードの改悪・変更はカード改悪・変更ウォッチで追っています。